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儚き想い、されど永遠の想い
25部分:第二話 離れない想いその十
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したら与謝野晶子は如何ですか?」
「あの方のですか」
「はい、何冊か読みましたがいいです」
 こう話すのだった。
「ですから。香川さんも如何ですか?」
「わかりました。それではその詩集と」
 さらにであった。香川はここでさらに話すのだった。
「赤い鳥を買います」
「赤い鳥ですか」
「はい、あの雑誌をです」
 与謝野晶子が関わっているその雑誌をだ。買うというのである。
 そしてそのうえでだ。また話すのであった。
「買いに行きます」
「赤い鳥もいいですね」
 ふと言った真理だった。赤い鳥と聞いてだ。
「あの雑誌は。読んでいてです」
「心が奇麗になりますね」
「はい、なります」
 そういう雑誌だというのだ。その赤い鳥は。
「素晴しい文学は。読む人の心を清らかにしますから」
「だから赤い鳥もですね」
「はい、奇麗になります」
 そうした雑誌だというのだ。
「ですから。読まれるといいです」
「では。あの雑誌もまた」
「はい、それでは」
 香川は笑顔で頷く。これで決まりだった。
 真理は家に戻り香川は本を買いに向かった。電車を降りた時にだ。
 真理は無意識のうちにだ。義正が去った方角を見た。そちらをだ。
 そしてそのうえでだ。一人こう呟くのだった。
「あの後ろ姿は」
 それを思い出してもしてだ。そのうえで一人呟いたのだった。そうしたのであった。


第二話   完


                2011・2・27

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