妖精の心臓
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しかし、それが出来ない理由がちゃんとあった。
「確かに一理ある。ワシも大量のフェイスを前に一度それを考えた。しかし、一時的な勝利はできてもその後のこと、どうなってしまうのか。もし・・・無限に降り注ぐエーテリオンが制御不能だったら・・・」
「・・・ごめんなさい」
国1つを滅ぼせる威力の魔法が永遠に降り注ぐ・・・そんなことが起きたらこの世界は滅亡してしまうことだろう。
「終わりの始まりになっちゃうかもしれないんだね〜」
「毒を以て毒を制すわけにはいかんからな」
「毒って・・・初代の体よ、一応」
全てと引き換えにするほどの超魔法。考えただけで興味が湧いてくるけど、それは黙っておこう。場違いだし。
「妖精の心臓はいかなる理由があろうと世に放ってはなりません」
「おう!!そんなの当たり前だ!!」
「そもそも初代の体だ!!他の奴等に渡せるかってんだ!!」
初代の体を守ること、そのために何としてでもアルバレスを倒さなければならない。そう思っていると、初代は顔を俯けた。
「私の罪から生まれた魔法が、まさか皆さんを巻き込んでこんな事態になってしまうなんて・・・」
自分のせいで俺たちを危険な目に合わせると申し訳なさを感じていた初代。そんな彼女に、ガジルさんが声をかける。
「人を好きになるってのが何の罪になるってんだよ。そんな罪じゃ逮捕はできねぇな」
「「「「「・・・え?」」」」」
「なんだよテメェら!!」
せっかく良いことを言ったのに、言った人が言った人だけに間抜けな声が出てしまった。なんかごめんなさい・・・
「初代・・・どうか自分を責めないでください」
「うん・・・不幸な出来事が重なってしまっただけ」
「あなたがいなければ妖精の尻尾はなかったんです」
「つーことは私たちが出会うこともなかったんだね」
「初代はここにいるみんなを繋げてくれた人なんだ」
「私たちは初代の作ったギルドを守りたい」
「そのために全力で戦います!!」
俺たちが巡りあったのは全て彼女のおかげ。ならば俺たちは全力で恩返しをしなければならない。彼女はそれを聞くと嬉し涙を流す。
「よいギルドになりましたな、初代」
しみじみとマスターがそう言う。すると、グレイさんの隣にいたジュビアさんがなぜか涙を流していた。
「メイビス様はかつて愛した人と戦わなくてはならないんですね」
自分がもしグレイさんと戦ったらと考えてしまったのだろうが、非常に辛そうな顔をしている水の魔導士。それに対し初代は涙を拭って答える。
「それは遠い過去の話。今のゼレフは人類に対する脅威です。必ず倒さねばなりません」
「でもよぉ、アルバレスの兵は何とかなるにしても」
「ゼレフと
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