妖精の心臓
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りましたね」
「まー気にすんな!!俺は昔からだ」
「それ・・・慰めてるつもりなのか?」
ウェンディが乗り物酔いをするようになってしまったことを聞いてガジルさんも心配そう。スティングさんの言うところの真の滅竜魔導士になったってことなんだろうけど、そんなのになるより普通に乗り物に乗せてほしい。
そこからギルドはお祭り騒ぎだった。ケンカを始めるガジルさんにナツさん、スターマンゴーのことで話をしているエルザさんたち、他にもみんなお酒を煽りカオスになりかけていた。
カァン
どこまで宴会が続くだろうかと思われた矢先、マスターが床を杖で突く。その音で騒いでいた俺たちは静まり、そちらを向く。
「皆・・・すまなかった。言い訳はせん、皆の帰る家をなくしてしまったのはワシじゃ。本当にすまない」
全員に頭を下げるマスター。でも、それを責めるものは誰もいない。
「メストから聞いたぜー」
「俺らを守るための判断だったんだろ?」
「気にしてねーよ」
「そうだ!!もう復活したんだ!!」
「辛気臭い顔すんなよ、酒が不味くなる」
ギルド解散の経緯はメストさんから説明があった。それを聞いていた皆さんはマスターの親心に感謝していた。だが、マスターはそれを聞いても暗い顔のまま。彼は目の前にあるテーブルに行くと、そこに広げられている地図を指す。
「さらにワシの策さえ無意味じゃった。アルバレスは攻めてくる」
西の大陸に置かれた城の模型を動かしイシュガルに向かってくることを示す。それを俺たちは黙って聞いていた。
「巨大な大国が、このギルドに向かい進軍してくるのじゃ」
「それがどうしたぁ!!」
マスターの言葉を遮るようにナツさんが叫ぶ。彼はそのまま地図があるテーブルの前に歩いていく。
「俺たちは今まで何度も何度もギルドの為に戦ってきた。敵がどれだけ強かろうが、大切なものを守りたいって意志が俺たちを強くしてきたんだ」
ナツさんはマスターの前に立つとテーブルを思いきり叩き付ける。
「恐怖がないわけじゃねぇ。どうやって下ろしていいかわからねぇ重荷みてーだよ。けど・・・みんながきっと手伝ってくれる。本当の恐怖はこの・・・楽しい日の続きがなくなることだ」
彼は地図の上に乗せた手から熱気を放つと、アルバレスの城の模型だけを見事に燃やす。
「もう一度みんなと笑って過ごせる日のために、俺たちは戦わなきゃならない。勝つためじゃねぇ!!生きるために立ち上がる!!それが俺たちの戦いだ!!」
彼の鼓舞に全員の気持ちが戦いへと向いていく。俺たちは絶対にアルバレスの進軍を止める!!その気持ちは皆同じだった。
「全員、覚悟はできてるみてーだぜ」
顔を俯かせていたマスターの顔がみるみ
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