第99話 半死と半生
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権利を主張するっす」
「まあまあ......あっ!」
解放された階段を昇っていると佐天の驚異的な感覚が御坂が超スピードで移動しているのを捉えて『しまった』と言わんばかりの声を上げた。
「びっくりするわね!どうしたのよ」
「御坂さん行ったみたいですね。あちゃー惜しかった......?!」
「......うが!?!」
振り返った佐天の目には空中で苦しそうにもがくトビの姿だった。
金縛りにでもあったかのように伸ばした腕が小刻みに震えながら何か別の物が取り憑くような描写が相応しい。
「な、何してんのよ!?」」
「ち、違うっす......何かがオイラの身体を」
樹木を生やしながら必死に抵抗するが見えざる何かは徐々に所有権を奪い隆起した木の腕で隕石の破片により開けられた壁をこじ開けるように外に出た。
「ちょっ!ちょっと!?」
佐天の頭に懐かしい手の感触が柔らかい絹越しから伝わるように包み込んできた。
「え?」
振り返るとサソリの匂いが強くなる。
佐天の隈取が赤く伸びて、目の縁を彩るとぼんやりと薄明かりに照らされたサソリの後ろ姿が体感するように浮かび上がっている。
「サソリ?」
「......」
水に滲んだ絵の具のように掻き消えるとトビの姿はこの部屋から消えていた。
佐天が所有しているサソリと書かれた筒が新たな自然チャクラに反応するようにトクンと打ち始めていた。
******
「ゲフ......ゴフぅ!!?」
マダラが地中から出した五つ目の尾が鋭くフレンダの下腹部を貫くとそのまま尾を持ち上げて地面から持ち上げるように上げてドス黒い血を吐き出しながら声にならない呻き声を出して自重で押し広げられる傷口を庇うという無駄な抵抗をしていた。
「ぁ......がぁ」
「痛いか?それは自業自得だな。本来ならばオオノキの娘を狙ったがまあ良い」
「はぁぁぁー!!」
苦悶に意識を混濁させているフレンダを嬲るように尾の畝りを変えるマダラの右腕脇から絹旗が空気を巻き上げながら拳を突き出した。
しかし、写輪眼で先読みされた未来視によりマダラは繰り出される拳を紙一重で躱すと拳の先から衝撃波が飛び出した。
「煩い虫けらが多いな......!!?」
体勢を戻したマダラが指を鉤爪状に曲げると外した絹旗の首を撥ねようとするがマダラの顎に強烈な衝撃が加わりそのまま吹き飛ばされて消火栓に激突した。
ナオセ......
「!?」
尾から外れたフレンダが地面に落下すると同時にトビの面がフワフワと被せられて大きく開いた傷に木遁のチャクラを流し込まれてみるみる塞がっていく。
トビは何かから怯えるようにビクッと面を震わせた。
「トビ......貴様」
消火栓を破壊し水浸しになるマダラの悍ましいチャクラが針のように周囲の人間に突き刺さる。
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