第七十四話 養父と養子
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断絶してしまうじゃろう」
はって感じですね、元々奥さんに逃げられたのが原因なんだから、
家なんか潰しても良いと思ってるんですよね。
「陛下。臣は家名など惜しくはありません」
「いやな、卿に良い養子を紹介したくてな」
「養子でございますか」
ふむ要らないって言ってるですな。
ここいらでネタばらし!
「ケーフェンヒラー、実はプレスブルク大尉って知ってますよね」
「あの、若者ですかな?」
知ってるけど、はぐらかしして。
「あの若者がどう言う意味か知らないですが、エコニアで一緒だった中尉です」
「あのプレスブルクがどうしたのですかな?」
「家族に死ねと言われて自決未遂を起こして今入院しているんです。
けど誰も家族がお見舞いにも来ないんですよ、
生みの親にも実家の恥さらしだとなじられているんですよ」
「あの若造がな」
シンミリしてますね。
「其れでじゃ、あの者を儂の近習にしようと思ってな、
しかし、あの者がこのままでは気の毒でな」
「それに彼は真面目すぎて、直ぐ人に騙されそうですから、
ケーフェンヒラーに仕込んでも貰おうと、お父様と話し合ったんですよ」
「なるほど、確かにあの若造は騙されやすいですかな」
エコニア事件が起こらなかったけど、
きっと原作以外にも騙されていたんだろな。
「それでじゃ、此は卿が嫌ならば断って構わんのじゃ」
「出来たら、養子にして教育してあげて欲しいのです」
「なるほど、しかしあの若者は納得しているのですか?」
「全然未だ言ってないんですよ」
「そうじゃ此から言いに行く所じゃ」
「それに、資料集めとかにも人出はいるでしょう」
「フフ、陛下、殿下負けましたわ、判りました、あの若造を教育してやりましょうぞ」
「頼むぞケーフェンヒラー」
「こき使って下さい」
3人で笑い始めますよ。
おっともう一つ大事な事を相談しないと。
「ケーフェンヒラー、少々相談が有るんだけど」
「なんでございますかな?」
「いやね、ブラウンシュヴァイク公の甥フレーゲル男爵が、
ストーカみたいにしつこいんですよ。
士官学校在校中なんですが、
前から士官学校視察時はエスコートさせてくれって言ってくるんです」
「視察に行かないと言う事は出来ないわけですな」
「その通りよ、取りあえず義理の兄の縁者だしね」
「そうなりますと、我慢するしかないですな」
「そうだよね、凄く憂鬱なのですよ」
「うむ。オットーへ伝えるか?」
「いえ、今ブラウンシュヴァイク公を敵に回すわけには行きませんからね」
「となりますと、やはり殿下が一時我慢するしかありませんな」
「ですね、仕方がありませんね」
「ケーフェンヒラー、ありがとう」
「御意」
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