ペルソナ3
1953話
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が殆ど反射的に召喚器に伸ばしそうになった手を、止める。
そんな俺の行為に対して何かを言おうとした様子のゆかりだったが、そのまま口も押さえてその場から離れる。
「ふーっ、ふーっ!」
口を塞がれているゆかりだったが、それでも不満をこれでもかと息づかいで現す。
……ふと思ったんだが、今のこの状況を誰かに見られれば、色々とやばいんじゃないか?
まぁ、今の俺達の状況を見るという事は、逆に俺達からもそっちの方は見て確認出来る訳で……そう考えると、ここで俺達と遭遇しても、迂闊に喋る事は出来ない訳で……
ともあれ、今はそんな事を考えるよりも今にも暴れ出しそうなゆかりを何とかする方が先なのは間違いない。
「ほら、落ち着けって。もう離れたから大丈夫だ」
白河通りというラブホテル街にいるにも関わらず、何故か外で盛っていたカップルに疑問を抱くが、7月で夏なんだし、そんなプレイもまた……ありと言えばありなんだろう。
ともあれ、ゆかりを暴れさせないまま、白河通りの表通りに出る。
その頃になれば、多少は落ち着いてきたのだろう。ゆかりもそこまで暴れている様子はなかった。
「あー……取りあえず落ち着いたか?」
その言葉に、ゆかりが小さく頷く。
そんなゆかりの様子に安堵しながら、手を放す。
すると、ゆかりは未だに顔を真っ赤に染めていたものの、先程のように暴れ出すといった真似はしなかった。
「全く……これ以上ここにいると、その……また変な光景を見てしまうかもしれないわ。取りあえず適当に見て回ったら戻りましょ。細かいところはともかく、大体を理解しておけばいいでしょうし」
そう言うゆかりの言葉に、俺は頷く。
……このまま白河通りにいれば、ゆかりの許容量を超えてしまう可能性が高いと、そう思った為だ。
それに、ゆかりが言ってるように大体の場所を覚えておけばそれでいいという考えも間違ってはいなかっただろうし。
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