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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第254話 助ける為に
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レを持ち上げ過ぎないでくれって……」
「他の連中がいない時くらい良いじゃねーか」
皆がいる時、からかう様に言う事はあっても、ここまで真剣には和人だって言わない。和人……キリトであっても なかなか言えない事だ。だけど 今は聞いているのは隼人、リュウキだけだから、本心が少なからず出るのだろう。
隼人は、苦笑いをしつつも 和人に倣ってぐっと背伸びを1つした。
皆に笑顔が戻った事に、本当に喜びを感じた。
仕事を通して、ここまで人を笑顔に出来た事…… 仕事先の相手は 何度かあったらしいが(基本的に接触は綺堂が行う)、隼人自身はそこまでは体験した事が無かった。
それが最愛の人。……助けたかった人。大切な仲間。そして 隼人……リュウキは感じた
命のバトン。それをあの時に。
ユウキ達に全てを教えてもらって、また彼女に、……サニーに会えるかもしれない。また話をする事が出来るかもしれない。自分自身の思い出を語り、成長出来た所を見せれるかもしれない。レイナには妬かれるかもしれないが、リュウキは 少なからず思っていた。
だからこそ、真実をしった時 ユウキやランの様に悲しかった。だけど それ以上に感じたのは 目の前の少女たちの事、そして その背後に 確かに視えたサニーの事だった。
サニーが自分達とユウキ達を、スリーピングナイツの皆と引き合わせた、と。
倉橋氏から、詳しい事は全て聞いていた。スリーピングナイツのメンバー達の病状についても含めて。プライバシーの問題もあるから、本名は一先ず置いといて主に病名や病気のカルテのみを確認。勿論、ユウキとランの事も訊いた。
皆が戦い続けた相手は、これまで自分達が戦ってきた相手と比べても、引けを取らないどころか、非常に凶悪で、最悪だって言って良い相手だと感じたのは言うまでもないだろう。
そして ユウキとランの2人。
2人の病名は《後天性免疫不全症候群》。即ちAIDSだった。
2人が感染してしまったウイルスは 現在日本で承認可能となっている薬では効きにくいもの、即ち《薬剤耐性型》だった。その事実も更に重く、深く彼女達の心と身体にのしかかり、ゆっくり蝕んだんだ。
病は気から……と言う言葉もある通りだ。 多剤併用療法を生後から行い続けてきて辛い副作用も乗り越え続けどうにか、危険な時期を乗り越える事が出来たのだが……、不幸な事に、様々な事情も重なって数値が危険値にまで急激に下がりだした事だってあった。
そんな彼女達を救ったのが サニーだった。彼女の屈託のない笑顔。そして優しさ、温もり。それらが2人の心に届いた。生きようとする意欲を再び押し上げ、下がり続ける数値をも止めた。少なくとも倉橋はそう信じていて、話を訊いたリュウ
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