第三章 敦子、目覚める
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う》武者修行」というサイトがあり、「今日のキャラ10本ノック」はその中にあるコーナーだ。「今日の」の文字通り、お題は日々更新される。
なお、敦子自身はパソコンを持っていないので、ネット閲覧は、父のノートパソコンを勝手に持ち出して使っている。
いまも机の上にパソコンは置かれている。
「ちょっと休憩」
椅子に腰を下ろすと、そのノートパソコンの画面を開いた。
ブラウザを起動させると、スタートページに設定してある検索ポータルサイトが開いた。
たどたどしい手つきで、文字を入力。
今日、学校の廊下ですれちがった、イシューズと呼ばれている三人組のことをふと思い出して、なんとなく調べてみようと思ったのだ。
あの、自分の聞いたこともない、もしかしたら自主制作かも知れないアニメのことを。
カショーほのかちゃん、とかいっていたよな。
タイトル仮称の自主制作アニメで、主人公の名前がほのかちゃんということかな。
そのまま打ち込んで見つかるとも思わなかったが、とりあえず、その名と、自主制作、というワードを入れ、検索してみた。
拍子抜けするくらいにあっさりと、それらしきものがヒットした。
自主制作アニメの掲示板で、「ほのかちゃん(仮)」、という名前が出てきたのである。
どうやら、かなりの高評価を受けているようだ。もちろん、素人にしては、ということなのだろうが。
掲示板に書かれている内容からして、その作品というのは、どうやら「オープニング風アニメ」のようだ。
「へえ。それで、そのアニメというのは、どこで見られるのでしょうか……あ、あ、これかな」
上へ上へと遡っていったところに、リンクを発見した。
クリックすると、動画プレイヤーが開き、軽快な曲に乗ってのアニメ動画がスタートした。
中学生だか高校生だか、とにかく学校制服姿の、ぼさぼさ赤毛の女の子が走っている。
♪♪♪♪♪♪
ねえ 知ってた?
世界は綿菓子よりも甘いってことを
ねえ 知ってた?
見ているだけで幸せになれる……
♪♪♪♪♪♪
たぶん、いや、きっとこれだ。
あの三人が、このアニメを作ったんだ。
かわいいな、この女の子。
背景もしっかりしている。
なかなか出来がいいぞ。
「おお、神っ」
演出に引き込まれて、思わず声を出していた。
普通の動画は難易度が高いから、ということか、止め絵を横にスライドさせるような動きが多いのであるが、そのような中にも時折キラリ光る、思わず唸ってしまいそうな素晴らしいシーンがある。
プロに比べて当然劣る技術力を、演出によって、カバーするどころかそれ以上のものにし
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