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いたくないっ!
第三章 敦子、目覚める
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の先生、という設定なのかな、やっぱり。
 勝手にヤ○クミのイメージ持ってやっちゃったけど、違和感甚だしかったのはそのせいだろうか。
 演技力不足からきているというのであれば、ただ猛特訓をするだけなんだけど。

「ま、いいや。もうこんな台本二度と使わない。内容を確認してから、印刷してもらえばよかった。違うの探そっと」

 とりあえず、本日の台本読み上げによる一人芝居練習は終了!
 休憩だ。
 なんか飲み物飲んで、それから練習第二部を開始だあっ!

 昨日、宮沢賢治の朗読をやり掛けて寝ちゃったから、それからやろう。

「と、その前にトイレっと」

 敦子は階段とんとん一階へと降り、トイレへ入った。
 ばったんドアを閉じるが、思い直したように、カチャリそろーっと少しだけ開いて、便座に腰を下ろした。

 こうして、わざと半分ドアを開けたまま座ってえ、それで、ツンデレ少女カスミちゃんの金切り声でえ、

「ちょ、ちょっとなに見てんのよ!」
「つうか開けてんなよ!」 

 ちょうど通りかかってしまったばかりに最悪なところに遭遇し、心底げんなり顔の、兄、沢花祐一であった。

     5
「変態兄貴に最悪なところを見られてしまったことは忘れて、気を取り直してえ、それでは本日のキャラ10本ノック。今日のお題は『そっ、そんなんじゃないよ』、開始いいっ!」

 (さわ)(はな)(あつ)()は、自室で一人テンション高めて絶叫した。
 まずはキャラを演じる上での定番ともいえる、不良少女で、

「そ、そんなんじゃないよ!」

 次は、キャピキャピ少女で、

「そ、そんなんじゃないよ!」

 というか死語だよな、キャピキャピって。まあいいけど。
 次はとんがり眼鏡の女教師で、

「そ、そんなんじゃないよ! ……アドリブで、ザマスとかいった方がいいのかな。わよ、とか女言葉にした方がいいのかな」

 次、外車専門の整備工で、

「そ、そんなんじゃないよ! ……なんだ、この設定。外車専門って」

 天使、

「そ、そんなんじゃないよ!」

 女神、

「そ、そんなんじゃないよ!」

 モスラ、

「そ、そんなんじゃないモスー。それともザピーナッツを演じろってことなのか? 難しいぞこれは」

 ラモス、

「ジョーダンジャナイヨ!」

 タコ焼き屋の店員、

「そ、そんなんじゃないよ!」

 吸血鬼、

「そ、そんなんじゃないよ! よし、ノック、終了だ。今日のは、なんだかよく分からなかったけど、でも終了だ。はあ、ちかれた」

 十人のキャラを演じきって、すっかりバテバテぜいはあ息を切らせている敦子。
 インターネットに「(せい)|優《ゆ
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