第三章 敦子、目覚める
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二年生の三人組、己をまるで隠すことなく高らかな大声でアニメを語り合っていたよなあ。
羨ましいな、ああいうの。
あれから、まったく姿を見かけないなあ。
学校で有名な三人組、とか留美はいってたけど、初めて見てそれっきりだよ。
気になって廊下歩くとキョロキョロ探しちゃうけど、でもまーったく見かけない。
実は誰にも視ることの出来ない、妖精さんだったのかな。
で、たまあにふらり人間界にハイホーハイホーとあらわれて、アニメの話をして、去っていくのだ。
ん? でもアニメの話をしたいだけの妖精さんなら、なんで人間界にくる?
いち 妖精界にテレビがないので、そのため。
に 人間界にアニメの素晴らしさを伝えるため。
でもどうせならアニメの素晴らしさ以上に、プロ声優の素晴らしさ、必要性を伝えて欲しい。
頼むよ、イシューズさん。
「敦子、聞いてんのっ!?」
うわっ!
6
セカンドキッチンという名のファーストフード店に寄って、
七時に帰宅。
お風呂に入り、
髪をかわかし、
外で食べてきてしまったので、晩のおかずだけをちょっとつまんで、
昨夜録画した、「はにゅかみっ!」を見て、
学校の宿題と、授業の予習復習をやって、
さあ、声優修行の開始である。
まずは、メルヘン部屋の真ん中に立ち、お腹に手を当て発声練習。
あーーーーー、と声出し。
続いて、音階上げ下げしながらの腹式発声トレーニング。
続いて、あめんぼあかいなあいうえおや、早口言葉などの滑舌トレーニング。
「……黄巻紙っ! よし、今日はいえたっ!」
続いては、去年放送していたのを録り貯めておいた、トーテムキライザー第一期を利用して吹き替えの練習。
今日は、第九話を再生だ。
テレビの音量をゼロにして、ネットで拾ってきた台本を片手に、キャラに合わせて台詞を読むのだ。
「ははああん、だあって研究所に誰もいなかったじゃああん。気にしない気にしなあい。
「いや、その考えは間違っているぞ、リコ。あいつら、脳だけがすっかり気化して倒れていた。なら、それまで誰が基地にいたのか。それとも、事が起きてから、脳が消失するようなことがあったのか。例えば……
「ええええ、でもさあああ
「でもじゃない。難しい話じゃあないだろう。疑問点を抱くに値するかどうか、という点においては。
「まあルーにゃんがそういうなら、そうなんだろうねえ
「理論的に、よく考えてみよう。まず一つ目には……」
主人公である姫野リコと、脳内に潜む別人格であるクールな天使ルウ、の掛け合いシーンを使って、演技力訓練と、吹き替えのイメージトレーニングだ。
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