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いたくないっ!
第三章 敦子、目覚める
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ている。

 キャラもかわいらしい、動きも、カット切り替えの演出もしっかりしている。
 歌も、プロみたい。

 ほんと、秀逸な作品だ。
 三人だけで作ったのかな、これ。
 それとも、仲間がいるのかな。

 学校での、あの話しぶりから考えて、現在はこの作品のお話の部分を作っている、ということなのかな。

 いやあ、凄いのを発見しちゃったぞ。

 感慨深げに腕を組んだ敦子は、ふと机上の時計を見て、びくり肩を震わせ立ち上がった。

「いっけない、もう半になっちゃうよ! はじまっちゃう!」

 現在、二十二時二十八分。
 慌ててノートパソコンを閉じると、どたどた音がするのも構わず全速力で一階へとかけ降りた。
 居間へ入ると、父がソファに座ってゴルフレッスン番組を見ていたが、

「あたし見るっていってたでしょ!」

 と、金切り声を張り上げながらテーブルのリモコンを手に取り、九番ボタンを連打。
 連打の意味などない気もするが、ゴム製ボタンだとどうにも反応が鈍い感じがしてしまい、焦るとついついやってしまう。

「はじまたっ!」

 ちょうど、そのアニメが始まったところであった。
 まずはオープニング曲。ずらり揃った女性アイドルたちが、曲に合わせて華麗なダンスを見せている。

 アイドリの愛称でおなじみの、「アイドルドリーム」。正確にはその第二期である、「アイドルドリーム きらり」である。

 自室に小さなテレビはあるが、それではアイドルの華やかな世界が伝わらない。敦子はこの作品をリアルタイムで観る時は、必ず居間の46型液晶テレビで、と決めているのだ。その上でさらに自室でもう一回観るのである。

「サンサンサン、サンシャイン、ウッ、キーラキラ!」

 父、母、兄がなんとも複雑な表情でじーーっと見ているのも構わず、主題歌を主人公の()(くも)()()()たちと一緒に歌い、叫び、踊る敦子であった。

     6
 (さわ)(はな)(あつ)()は、学校の廊下を歩いている。
 (はし)(もと)()()()(どう)()()(おお)(しま)(えい)()、いつもの仲良し三人と一緒に。

「あれ確かさ、()(ぐれ)(しゆん)()が主演なんだよね」
「えー、イメージと合わない!」
「いやいや、これ以上はない配役でしょ」
「そお? で、あとは?」
「ヒロインは、(しろ)(やま)(わか)()だったかな」
「病弱のヒロイン役だよね。なら、そっちはいいんじゃない?」
「なんでよ、逆でしょ! 合うのが合わなくて合わないのが合うってさあ」
「ムキになってえ
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