第一話 やり直し、死に戻り。
[4/10]
[1]次 [9]前 最後 最初
私は君に『力』を授けよう。王の力、この世界の絶対(ルール)を覆す、究極の呪い(力)を。
この力を手にすれば君はもう、普通の人間には戻れない。
だが、代わりに君はこの世界の王────いや、神に等しい存在となるだろう。
さぁ、選びたまえ。君は、この世界をどうしたい」
選べ、と言われても返答に困る。
その難易度はとてつもなく高く、例えるならドラク〇のとあるボスキャラ竜王の「世界の半分をくれてやろう、その代わりに私の仲間になれ」みたいな感じだ。
あの2つの選択肢がゲームによるものたったなら予めセーブポイントでセーブしておいて二つの選択肢を体験するのも手だが……これはゲームではない。その場の選択は一つしか選べないのだ。
あの選択肢から察するに、力が欲しいと答えれば何らかの力を授けてくれるらしいが……他人から、ましてやら知らないオッサンから能力を貰っても嬉しくない。それに、このオッサンは世界を常識を覆す究極の呪い(力)と言ったが、具体的な能力に付いては何も言っていない。聞けば答えてくれそうだが、俺は敢えて聞かない。
何故、聞かないとなと聴かれれば…そうだな。強いて言うなら面白そうだからかな。
その場の選択肢で、こうも刺激的な質問をされたことはない。なんか普通に質問して普通に返答を貰うのはつまらないと判断し、俺は取り敢えず悩む。
素直に、率直に、力をくれ…と言うのも悪くない。だが、そんなあっさりと力を得てもいいのか?
男は言っていた。世界を常識を覆す、究極の力だと。
そんなものを一つ返事で貰っていいものかと首を傾げてしまう。そんな簡単に世界の常識を覆されたら、この世界を創った神様も呆れてしまうだろうな。
だから、俺は決めきれない。決めきれずにいた。
「少年よ、何を悩んでいる?」
男は優しく微笑みかけてくる。何を悩んでいる、そうだな。お前の提示した選択肢に悩んでいる。
「悩む事は良いことだ。じっくり悩むといい。この空間は世界と隔離された異次元と呼ばれる所だ。時間の概念はない。だが、生命の概念は存在する。時間の事を気にする必要は無いが、この異次元の常識に囚われてはいけない。囚われたら最後…君はここから抜け出せなくなる。」
『おい、なんかサラッと怖いことを言うな』
「済まない。別に、脅しで言ったつもりはないんだ。だが、そうなる可能性もあるという事だ」
『曖昧なんだよ。いきなりこんな所に俺を呼び出して、その……なんだっけ?
ギアスとかいうの…?』
「おぉ、そうだ。そうだった。君はギアスの事についてどこまで知っているのだね?」
『知らないよ。ギアスってなんなんだ?』
「先程から疑問形ばかりだね」
『んなもん知るか、記憶喪失の俺にお前は何を求めてんだよ』
「それもそうだね。はっはは、」
男は笑う。そんなに面白
[1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ