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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第七十三話 ラプンツェル訓練中
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始める。

「敵艦撃沈」
艦内に歓声が上がる。
しかし飛行長メルダース少佐だけは未だ渋い顔である。
「ワルキューレ隊の動きが未だ未だな」

やっと敵機を撃退したとワルキューレ隊から報告が入る。
「遅いな、未だ未だ旗艦に乗せる程じゃないな」
そうは言っているが、腕前は既に正規艦隊所属部隊ベテランの域である。

ワルキューレ隊が次々に帰還してくる。
「ワルキューレ隊順次着艦」
ゆっくりと格納庫へ着艦する。
ワルキューレにロックが懸けられ

「拘束確認ハッチ閉め」甲板員の確認の声が復唱されていく。
「エアロック閉鎖確認」
「洗浄開始」

帰還した機体が洗浄液により放射線や宇宙塵を洗い流されていく。
洗浄終了までパイロットが外に出られない。
僅か1分弱で洗浄と乾燥が終了する。

「洗浄終了」
「エアー注入」
整備員がハッチから現れ、パイロットがワルキューレから出て来る。

「お疲れ様です」
整備員が労いの言葉を放つが、
パイロット達は「ありがとう」出てくる。

標的艦に終了の合図を行い、宇宙艦隊演習宙域から演習用基地へ向かう。
「合戦終了、用具片付け」
艦長が宣言する。
艦内に終了の放送がされると、早速片付けが始める。

艦橋では、幹部達が話している。
「今回はまずまずの仕上がりだな」
「ですね、各方面とも動きがよいです」
「機関も調子がよいですぞ」

「各砲の動きが良くなってます」
「機動性も良いです」
「艦載機の発艦方法も良いですな」

「しかし、艦載機の動きが未だ未だ」
「飛行長は厳しいな」
「これぐらいせねば、殿下の御召艦のパイロットは任せませんよ」

「仕方ないな」
「まあそう言う事ですよ」
片付けが終わったと艦内各所から報告が上がる。
其れを聞いた艦長が、昼食を取るようにと放送を入れる。

食堂では、主計課が腕によりを掛けて作った昼食が出され、
皆が皆、舌鼓をうちながら疲れた体を休めていた。

標的艦と随伴巡航艦達と基地へ帰る。
明日もまた早朝からの訓練である。


帝国暦480年5月10日
 
■イゼルローン回廊同盟出口付近

 帝国軍はイゼルローン回廊の出口に付近でパトロールを行っていた。
今日もまた少数のパトロール隊が回廊出口付近を航行していた。
巡航艦10、駆逐艦20程度の第204パトロール艦隊は、今月初めてのパトロールであった。

旗艦巡航艦ゲヴィッター内では艦長兼パトロール艦隊指揮官エルラッハ中佐が部下に指揮を丸投げで指揮官席に座っていた。
指揮をしているのは副長のルッツ大尉である。

突然に回廊出口付近で同盟軍のパトロール部隊と遭遇したのである。
エルラッハ中佐は慌てて椅子からずり落ちた。

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