最終章:夢を追い続けて
第65話「足止めの戦い2」
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えず、ふと気になって基地内のカメラにアクセスします。
何もプロテクトも掛けられていないようで、あっさりと映し出されました。
「…皆さん…」
そこには、今まさに戦いを始めた皆さんの様子が映し出されていました。
「っ………」
「桜……」
当然、その中には桜さんも含まれています。
私と同じように気になった桃花さんの心配そうな呟きが隣から聞こえてきました。
「(……皆さん、劣勢ですね…)」
始まってしばらくすれば、力量差が見えてきました。
桜さんと秋十さんはもちろん、束さんと箒さんの差も大きいです。
織斑先生もご両親の連携には苦戦していました。
……そして、簪さん達も揃って押され気味でした。
「………」
…正直に言って、どうして争う必要があるのかわかりません。
以前、桜さん達に何度か聞きましたが、“ケジメ”としか返されませんでした。
「(……この戦いで、全力で戦って負ける事に意味があると、桜さんは言ってました。……じゃあ、どうして、ここに“操作ができる”パネルを…?)」
映像を映すにしても、操作パネルは必要ありません。
それなのに、態々用意しているだなんて……。
「…………」
「…本当は、わかっているのでしょう?」
「クロエさん…」
私の様子を黙って見ていたクロエさんが、そう言ってきます。
「私、は……」
桜さん達がどういった意図でコントロールパネルをここに設置したのか。
……似たような状況を、経験した事がある気がします。
あの時、ゴーレムが襲ってきた際、皆さんを避難させる時のような……。
「(……また、私を試すんですね…)」
桜さん達は、自分たちに味方をするのはダメだと言っていました。
…しかし、その逆は何も言っていません。
「………」
私は、桜さんの事が好きだから、桜さんに味方する事しか考えていませんでした。
でも、もし、“敵対する事”が桜さんを助けるに繋がるのなら……。
秋十さん達が、桜さん達をも助ける手段があると言うのなら……!
「っ……!」
私は、桜さん達と、敵対します……!
「ユーリちゃん、何を……」
「(っ…!?このプロテクトの数……あの時の比じゃない…!?)」
パネルを操作し始めた私に、桃花さんが疑問の声を上げます。
それを無視して、まずは通信を繋げようとしますが、やはり桜さん達が設置していただけあって、生半可なセキュリティではありませんでした。
「でも……!」
以前と違うのは、私も同じです。
あの時から数年。私もただこの基地にいるだけではありませんでした。
解析に関する事は、なんだってやりました。そし
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