第六章
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「お父さんやお母さんがいいって言ってるし問題なしよ」
「親父やお袋が何と言ってもな」
「大輝君のお父さんやお母さんもよ」
「俺が認めていないからな」
「親とお兄ちゃんどっちが上よ」
「俺に決まってるだろ」
「親が先に決まってるでしょ」
保護者としての立場はというのだ。
「全く、もうお兄ちゃんの出る幕はないわよ」
「まだそう言うのか」
「言うわよ、とにかく大輝君は何の問題もないから」
こう兄に言い切った。
「お兄ちゃんは黙ってて」
「何っ、俺はな」
「だからいいって言ってるでしょ」
「ああ、これでいいですね」
編集の人が頃合いと見て出て来た。
「もう、それじゃあ」
「はい、お願いします」
七海も編集の人に顔を向けて応えた。
「お兄ちゃん強制連行していって下さい」
「軍艦島でいいかな」
「旭日旗も一緒に」
神聖なるこの旗もというのだ。
「お願します」
「では」
「おい、話はまだ終わってないぞ」
編集の人に連れて行かれつつもだ、伸也はまだ言っていた。
「俺は御前の為にだな」
「いらぬお節介よ」
「いらないって何だいらないって」
「言ったままよ」
編集の人は怪力だった、決して小さくはない伸也を引き摺っていく。こうして伸也は七海と大輝達の前から去ったが。
しかしだ、大輝は戸惑った、呆然となっている顔で七海に言った。二人だけになった後で。
「あの、お兄さんって」
「気にしなくていいから」
七海はその大輝にむっとした顔で答えた。
「いないと思っていてね」
「あの人を?」
「そう、気にしても仕方ないから」
「だからなんだ」
「ずっとああだから」
「ずっとなんだよ」
「そうなの、馬鹿で横暴で無茶苦茶で」
実の兄だからこそこれでもかと言う。
「もう気にしないでね」
「それでなんだ」
「私達は私達でやっていきましょう」
「それでやっていけるの?」
「任せて、もう出て来たり言ってきたらお湯をかけるから」
「ゴキブリみたいだね」
「とにかくそうして無視していくから」
かなり強引でもというのだ。
「そういうことでね」
「それじゃあ」
「ええ、あいつのことは私に任せて」
こう言って実際にだった、伸也はこの時だけでなく何かと二人に言ってきたが七海が全部あしらった。その七海を見てだった。
大輝は学校、流石に伸也が来ないその場所で七海と一緒に食堂でお昼を食べながら話をした。
「七海ちゃんも強いね」
「そう?」
「だってあのお兄さんをあしらえるんだから」
「そんなの当然よ」
七海は焼きそば定食を食べつつ自分と同じものを食べている彼に話した。
「伊達に妹やってないわうよ」
「そうなんだ」
「ずっとね、とにかく私負けないから」
伸也、彼に
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