第四章
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そのうえでだ、自分の脳に向けて銃を放ってそれで自ら介錯をして旅立った、結城はその一美始終を見届け。
涙を流し敬礼をして彼を送った、それから涙を拭いてから当直室にいる下士官と兵士達に同期のことを話した。
「河原崎大尉は自決したぞ」
「敗戦のことを悔やまれ」
「そのうえで」
「そうだ、靖国に入り護国の鬼たらんとしてだ」
彼等にこのことも話した。
「腹を切り自ら銃で介錯をした」
「そうですか」
「立派な方でしたが」
「立派な最後だった」
結城は真実も話した。
「では今からだ」
「はい、ご遺体をですね」
「葬るのですね」
「そうしたい、手伝ってくれるか」
下士官や兵士達にこうも言った。
「ここには最低限の留守の者達を置いてな」
「わかりました、それではです」
「これから大尉を送りましょう」
「靖国の英霊になられた大尉を」
「そうしよう、これからな」
こう言ってだ、そしてだった。
結城は河原崎を葬った、彼はその間も涙を流さなかった。堪えたというのが真実であったがそうした。
この日から歳月が経ち結城は軍務から一時サラリーマンをしていたがやがて警察予備隊に入りそこから自衛官となった。
そして定年し工事現場の監督になってから孫が出来てだった。彼は孫を靖国神社にまで連れていってこんな話をした。
「ここにはお祖父ちゃんの友達がいるんだ」
「この神社に?」
「ああ、そうだ」
今は穏やかな顔になっている、その穏やかな顔で孫の新太郎に話すのだった。まだ幼稚園児の彼に。
「死んでな」
「死んだの?その人」
「立派にな、そしてな」
「今はここにいるの」
「そうだ、そして新太郎も皆も護っているんだ」
靖国のその社を見つつ孫に話していく。
「お父さんもお母さんもな」
「お祖父ちゃんも?」
「ああ、そうだ」
その通りだというのだ。
「護ってくれているんだ」
「それでお祖父ちゃんは今そのお友達に会いに来たんだ」
「そうなんだ、ずっとな」
「ずっと?」
「新太郎が生まれる前から、そしてな」
結城は孫にさらに話した。
「毎年来ているんだ」
「お友達に会いに」
「他にも色々な人にな」
孫の手を引いて離さない、そのうえで彼にも靖国の社を見せている。
「ここにいるのはお祖父ちゃんのお友達だけじゃないんだ」
「他にも人がいるんだ」
「日本の、新太郎達の為に戦った人がな」
「いるんだ」
「その人達にも会いに来ているんだ」
「そうだったんだ」
「新太郎も毎年ここに来るか?」
こう孫に尋ねた。
「そうするか?」
「日本も僕も護ってくれているんだ」
「ああ、ここからな」
「じゃあね」
祖父の言葉を聞いてだ、新太郎は考える顔になった。それから少し経ってからその祖父
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