第五章
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「好きなのよ」
「僕もだよ、この大人の雰囲気がね」
「好きよね」
「そうだよ、じゃあこのお店でもね」
「楽しみましょう」
「お酒を飲んで」
そしてだった。
「後はね」
「また後でね」
「いや、こうしてお酒を飲むのも」
「一人でも?」
「最近なかったよ、お家に帰ったら御飯食べてお風呂に入ってね」
「寝るだけだったのね」
「お酒を飲むのも」
こうしてだ。
「やっぱり余裕がないとね」
「ええ、出来ないわよね」
「もう疲れていたら」
身体だけじゃなくて心もそうなっていたらだ。
「お酒も飲みたくなくて」
「後は寝るだけね」
「そうなるからね」
「そうよね、私も最近ね」
「飲んでなかったんだね」
「どうもね」
実際のところだ。
「そうだったから」
「それでだね」
「こうした場所で飲むのも」
夜になろうとしている時に待ち合わせをして二人で歩いてステーキハウスでプレスリーの曲を聴きながら食べることもだ。
「出来ないわよね」
「そうだね、けれど今は」
「こうしてね」
「飲もうね」
「そうしましょう」
私は微笑んで彼に応えてまたカクテルを飲んだ、二人でゆっくりとお酒を飲んでそうしてだった。
二人で心ゆくまで飲んでからお店を出た、それで終電までにはそれぞれのお家に帰ろうとしたら。
ふとだ、彼は私に言ってきた。
「見て」
「見てって?」
「ほら」
こう言って夜空を指し示した、その夜空に。
沢山の星達が輝いていた、そこに春の星座達がビルとビルの間の夜空に輝いていてそうしてだった。
濃紫の夜空を飾っていた、私はその景色を見て目を微笑まさせて言った。
「いいわね」
「そうだよね」
「うん、とてもね」
こう言うのだった。
「ロマンティックね」
「そうだよね」
「夜になったら涼しくなったし」
お昼の暑さが嘘みたいにだ、強い日差しのせいで暑かったみたいだ。
「だから余計にね」
「いいよね」
「ええ、気温的にもね」
「ロマンティックだね」
「本当にね」
「こうしたのもいいよね」
「ええ、最近本当に暑くて忙しかったけれど」
それでもだった。
「今夜はとても素敵ね」
「そうだね、本当に」
「じゃあこの気持ちのままね」
ロマンティックな気分に満足したままだ。
「帰りましょう」
「お家まで送るよ」
「そうしてくれるの?」
「僕もこうした気持ちを味わいたいから」
最後の最後までというのだ。
「一緒にね」
「ええ、じゃあ」
「最後までいようね」
「わかったわ」
私は彼に笑顔で言ってそっと彼に身体を寄せた、すると彼は私の肩を抱いてくれてそれからだった。
彼に家まで送ってもらった、この夜は最後の最後までこうした感じだった。たま
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