第三章
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「奇麗だね」
「そうね、この変わっていく感じがね」
私もその空を見上げて彼のその言葉に頷いた。
「不思議な感じがして。奇麗ね」
「青かったのが赤くなってね」
「紫になってね」
「それで星空になるのがね」
「もうお星様出てるわ」
見れば一番星がもう出ていた。
「金星かしら」
「明星だね」
「それかしらね」
「そうかもね、星のことは詳しくないけれど」
「あれっ、そうなの」
「あまりね。学校で習った位だよ」
その知識はというのだ。
「僕にあるのは」
「そうなの」
「うん、けれどお星様も出ていて」
「奇麗ね」
「この時間のお空もね、じゃあ何処行く?」
「そうね、バーに行く?」
私は二人の行きつけのお店を出した。
「それともまずは食べる?」
「先に食べない?実はいいステーキハウス見付けたんだ」
「ステーキなの」
「うん、アメリカンスタイルのね」
「じゃあ量が多い」
「それでどうかな」
「そうね」
少し考えてからだ、私は彼に答えた。視線はお互いに戻している。周りの木々も街並みも次第に夜の帳の中に入ってきている。96
「じゃあそこにね」
「行ってだね」
「晩御飯を食べて」
「そしてだね」
「バーに行きましょう」
こう彼に言った。
「そうしましょう」
「うん、じゃあね」
彼も頷いてくれた、そしてだった。
私をそのステーキハウスに案内してくれた。お店の中は六十年代のアメリカをイメージした感じでだ。
木造の内装で落ち着いた感じでだ、プレスリーの監獄ロックがかかっていた。その曲を聴いてだ。
私は自分の向かい側の席に座る彼にだ、こう言った。
「こうした趣味あったの」
「趣味って?」
「だからこうしたお店に入る」
お店の内装と音楽から言った。
「そうだったのね」
「まあね」
彼も否定せず私に答えた。
「ステーキも好きだし」
「それでこうした感じも」
「好きだよ、映画に出てきそうだよね」
「昔のアメリカ映画の」
「そうそう、こうした感じが好きで」
「プレスリーの曲も」
「ロマンあるよね」
微笑みと一緒にだ、私に聞いてきた。また注文したお料理は来ていなくて二人でそれを街ながら話をしている。
「独特の」
「そうね、あの頃のアメリカのね」
「ロックだけれどね」
「穏やかなロックね」
「二人で一緒にいるのに似合ってる」
「そうした場所ね」
「それがいいと思ってね」
それでというのだ。
「今日はこのお店にしたけれど」
「いいと思うわ」
私は微笑んで彼に答えた。
「そこの雰囲気もね、それと」
「お料理もだね」
「ステーキも楽しみにしているわ」
「うん、メインのね」
「それを食べましょう」
「それじゃあね」
そのこと
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