ペルソナ3
1951話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
のだ。
これはちょっと予想外だった。
もっとも、山岸はともかく、有里は表面上は大人しいが、実際にはそれなりに気の強い一面もある。
そう考えれば、寧ろこの結果は当然だったのだろう。
「君達の気持ちも分からないではないが、ペルソナを召喚する為には、どうしても死を連想させる必要がある。そう考えれば、この方法しか僕には思いつかなかったんだよ。それとも、他に何かいい方法があるとでも?」
幾月の言葉に、俺を含めて全員が黙る。
実際、死を意識するのが絶対に必要である以上、幾月の方法は間違っていない。
いや、勿論他にも方法はあったかもしれないが、今の状態でそれが可能なのかと考えれば……それもまた、微妙に難しいだろう。
もしくは、可能であっても首輪型の召喚器を作るよりは間違いなく時間が掛かった筈だ。
「わん!」
そんな状況を破ったのは、誰にとっても予想外な事にコロマルだった。
しっかりと俺達の話は理解していたのか、首輪を嵌めてとこっちに視線を向けてくる。
どうするか一瞬迷ったものの、コロマルが望むのであればと首輪に何か妙な仕掛けがないのかを入念に調べてから、コロマルに首輪を付ける。
……その様子を見て、幾月が安堵しているのを見ると限り、首輪に何か仕掛けようかどうか迷ったといったところだろう。
ともあれ、首輪を付け終わったコロマルは、開いている場所に移動し……吠える。
「ワオオオオオオオオオオオオンッ!」
吠えるのと同時に、コロマルの側にケルベロスが召喚される。
そして……そのまま消える様子はない。
以前見た時は、数秒程度その身体を維持した後は、既に消えていた。
だが、今は十数秒……そして数十秒が経っても、ケルベロスが消える様子はない。
間違いなくペルソナを召喚したという事になる筈だ。
「これが、コロマルのペルソナか……」
初めてケルベロスを見る荒垣が、半ば呆然とした様子で呟く。
以前に一度見た者達ですら、こうして本物の実感とでも言うべきものがあるケルベロスを見れば色々と思うところがあるのか、じっとその姿を見ていた。
3つの首を持つ犬型のペルソナ……まさに、ケルベロスという名前に相応しい、そんなペルソナを。
「コロマル、ちょっと動かしてみてくれ」
「わん!」
俺の言葉に、コロマルは少しだけペルソナを動かしてみる。
1歩前に進むその様子は、普段であれば特に驚くような事もないだろう。
だが、やはり人型ではないというのは大きいのか、それぞれが歓声に近い声を上げる。
幾月もきちんと召喚器が動いたのを見て、満足そうに頷いている。
「ケルベロス、どんな力があるペルソナなんだろうな」
ふと呟くと、その場にいた全員の視線がこちらに向け
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ