ペルソナ3
1951話
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、それでいながら嬉しそうに毒づく。
「ふんっ、お前は俺の母さんじゃねえだろ。別にどこそこに行くってのを教える必要はねえ筈だ」
「ったく、相変わらずだな、お前は」
これで荒垣が多少なりとも怪我をしていれば、真田ももっと本格的に心配をしたんだろうが……こうして見たところ、荒垣は特に怪我をしている様子もない。
だからこそ、こうして問題なくいつも通りにやり取りが出来ていたのだろう。
そんな2人のやり取りを眺めていると、やがてコロマルを抱いたゆかりが口を開く。
「それで、桐条先輩。コロマルの召喚器が出来たんですよね?」
「あ、ああ。それは間違いないのだが……」
何故か口籠もる美鶴。
普段の美鶴の性格から考えると、ちょっと信じられない気がしないでもない。
これは、何かあったのか?
そんな疑問を抱くも、俺が口を開くよりも前に嬉しそうに喋る奴がいた。
「勿論、きちんと召喚器は出来てるよ! 色々と大変だったけど、こっちもいい勉強になったよ」
嬉々とした様子というのは、今の幾月のような事を言うんだろうな。
そう思いながらも、俺は幾月が俺に向かって差し出してきた物を受け取る。
「首輪?」
そう、それは間違いなく首輪だった。
コロマルの首輪として考えれば、間違いなく用途は見た目そのままなのだろう。
犬だから首輪付けるというのは分かる。分かるが……
「これが召喚器、なのか?」
「そうだよ」
一瞬の戸惑いもなく、幾月は俺の言葉にそう応じる。
それだけこの首輪に自信があるって事なのか?
勿論、ゆかり達が使っているような、拳銃型の召喚器をコロマルが使えないというのは理解している。
コロマルの戦闘方法や、犬という条件を考えれば、首輪が一番やりやすいというのは理解出来るのだが……それでも、首輪で本当に大丈夫なのか? という思いがある。
「この首輪で、本当にペルソナを召喚出来るのか? 妙な欠陥とかはないよな?」
「100%、完全確実完璧に安全……とは言わないよ。そもそも、首輪型の召喚器なんて、今回初めて作ったんだしね。けど、理論上はこの首輪で十分召喚器としての役割を果たしてくれる筈だ」
「理論上?」
「ああ。以前にも言ったと思うけど、ペルソナを召喚するには死を感じ、実感する必要がある。この首輪はペルソナを召喚しようとした瞬間軽く縮み、コロマルの首を軽く絞める。それにより死を意識し……ペルソナを召喚出来る筈だ」
「つまり……それは、コロマルがペルソナを召喚しようとすれば、首輪が首を絞めるという事か?」
その言葉に、その場にいた全員の視線が幾月に向けられる。
驚いた事に、普段は大人しい性格をしている有里や山岸といった者までもが、幾月に厳しい視線を向けていた
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