第2話 半人半妖の庭師の憂鬱
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(う〜ん…、何にしたらいいかな…)
市場の通りを歩きながら、半人半妖の庭師は悩んでいた。
(肉…?魚…?、いやでもこの時期は夏野菜も美味しいし…)
(幽々様の好きなもの…、いや、よく考えたらあの人何でも好きだな…)
あたりを見渡せば、目に飛び込んでくるのは新鮮な素材である。幾通りも献立を思案しては、あれでもない、これでもない、と結局決断できないままでいた。
魂魄妖夢が悩んでいたのは、明日に控えた博麗神社の大宴会に持って行く、宴会料理の献立である。宴会では、参加する各派閥が料理を持ち寄って、それを共有して成立する。最初の頃は単純に宴会を楽しむための目的であったが、対立する派閥が増えた今の幻想郷では意味合いが大きく変わってきた。博麗の巫女の目下、目立つ争いはできないために、持ち寄る宴会料理の豪華さや味で、各派閥のメンツを競っているのである。
(幽々様の威厳を示すためにも、私が頑張って美味しい宴会料理を作らねば!(ふんす))
(それに今回は四季様が客人で来られますからね…。へまはこけないし…)
妖夢は半霊をもにゅもにゅして弄びながら、とりあえず魚市場の方を目指すことにした。
(咲夜さんや優曇華はすごい料理を作ってくるんだろうなぁ…。私も負けてられないな。あ、でも美味しいもの作ったら幽々様は褒めてくれるかな…wえへへ)
「何ニヤニヤしてるのよ………」
「う、うぇっ…!?れ、霊夢さん…!?」
そこには博麗の巫女が、青ざめた顔で立っていた。
「な、なにもそこまであからさまに引かなくても良いじゃないですか…!!」
「ニヤニヤしながら歩いてたらそりゃ気持ち悪いわよ。まぁ、どうせ幽々子の事でも考えてたんだろうけど」
「い、いや、そういうわけじゃ……、ない…ことも…ないん…です…けど…」
尻すぼみに声が小さくなって、妖夢はそのままうつむいて赤面した。
「図星ね。相変わらずわかりやすいわね」
「う、うるさいです!!」
妖夢は腕をブンブン振った。
「ところで霊夢さんは何しに市場へ?お盆の買い出しですか?」
「あぁ、日本酒買いにね。あと瓶コーラ買いに来させらr………買いに来たのよ」
「来させられた…んですか?」
「こっちの話よ。深く聞いたら陰陽玉ぶつけるわよ」
(この人怖い(汗))
「でもコーラですかぁ。良いですねぇ…」
「どうしたのよ。何か悩ましげじゃない」
「あ、わかります?実は宴会料理の献立で悩んでまして…」
「あー、なんか文が言ってたわ。メンツ争いもめんどくさそうねw」
「何かオススメとかありますか?」
「そうねぇ…。私はカツが食べたいわ(キリッ)」
(霊夢さんの主観全開だぁぁぁ…w)
「揚げ物ですかぁ…揚げるの大変d…」
(いや待てよ……!?)
妖夢は閃いた。
「妖夢は揚げ物もうまいのねぇ〜。妖夢が暑いの
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