井上 慶介
第一章 禁じられた領域
第八話 疑惑
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だ。抜け道は幾らでも知ってる」
気に食わなかったが、今はいがみ合ってる場合でも無かったので2人の手伝いに入る。
鍛え上げられたガタイのいい男を狭い車に運び入れるのは、とても簡単な事では無かった。
だがこれだけ揺り動かしているのにも関わらず、全く起きる気配が無いのに少し違和感を覚える。
「狭いが、堪忍な……遥ちゃん」
井上がそう謝ると、遥は首を横に振る。
微かに見せる彼女の笑顔で、何故か心地よく安心出来た。
「さぁて、井上。ここからが勝負だぞ」
「何でや?ここまで来たら安心とちゃうんか?」
「馬鹿だなぁ……嗅ぎつけられてる可能性も、無いわけじゃないだろ?」
胡散臭い言い回しを軽く聞き流し、ようやく全員が車に乗り込んだ。
このまま無事に、何事も無く辿り着けますように。
もし神様が本当にいるなら、井上は心の底からこう願っていただろう。
雲行きは、どんどん怪しい方へと進んでいた。
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