第三十九話 神の斧その十二
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「それでか」
「乗馬をされていたがな」
「されなくなってからか」
「糖尿病になられた」
実は甘いものは常に節制されていたらしい、羊羹やカステラや餡パン、アイスクリームはお好きだったというがおやつで一切れずつだったという。
「しかしだ」
「日本酒か」
「愛飲されていてな」
その結果というのだ。
「糖尿病になられた、残念だが」
「全くだな」
「そしてだ」
「そのことからか」
「俺は甘いものを食べるとな」
「その分運動もしてるか」
「そうしている」
それで糖分を発散させているというのだ。
「若くともな」
「それは気をつけないとな、本当に」
「今も皇室では気をつけてるしな」
言うまでもなく明治帝のことからだ。
「昭和帝は全く飲まれなかったという」
「おい、全然かよ」
「どうも体質的な問題だったらしい」
所謂下戸であられたというのだ。
「それでだ」
「飲まれなかったんだな」
「そうだった」
まさにというのだ。
「全くな」
「成程な」
「甘いものはお好きだったかも知れない」
「そちらの方か」
「そこは明治帝と同じだな」
「ああ、確かにな。ただお酒を飲まれなかったのはな」
久志は昭和帝のこのことについて述べた。
「事実だ」
「それは初耳だったな」
「そして生活は非常に節制されていた」
「物凄い質素だったって聞いてるぜ」
「何処かの世襲制の共産主義国家の将軍様とは違っていた」
「あそこは代々凄いな」
皇室とは違う意味でとだ、久志はどうかという顔で返した。
「贅沢三昧でな」
「それが完全に体格に出ているな」
「前の将軍様も今の将軍様も糖尿病で他にもな」
「色々な成人病を患っているらしいな」
「正反対だな」
昭和帝と、というのだ。
「冗談抜きで」
「全くだ、しかもあの国はよくて日本の皇室には反対する」
「いるな、そんな奴」
「信じられない馬鹿だと思った」
英雄はそうした人物に会って実際にそう思ったのだ。
「その時はな」
「そもそも共産主義で世襲なんてな」
「その時点でおかしいな」
「ああ、しかしだ」
「そうした奴もいるってことか」
「そのことも知った」
現実にそうした人間と会って話をしてというのだ。
「想像を絶する馬鹿に会ったと思った」
「想像を絶するか」
「しかもあの国は国民は餓えているな」
極端な軍事偏重政策と内政の完全な失敗によってだ、そうしたことによって国民が餓えてしまっているのだ。
「二千万の国民が」
「それで自分だけ太りまくってるとかな」
「ないな」
「何処の古代専制国家だよってなるな」
「戦前の日本と比較されもするが」
そうした意見もあるにはある、その意見が正しいかどうかは最早言うまでもないことだが。
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