ペルソナ3
1950話
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凄かったな。
それこそ、何らかの必殺技名がついていてもおかしくないと思える程には。
そんな事を考えつつ、俺は改めて美鶴の方を見る。
何故か俺の方を見ていた美鶴と目が合い、戸惑ったような表情を一瞬だけ見せた美鶴だったが、それでもすぐに口を開く。
「ど、どうしたのだ?」
「荒垣と連絡がつかない件だけど、もう数日経っても連絡が付かないようなら、桐条グループに任せてもいいか?」
「う、うむ。そうだな。荒垣と連絡が取れないのは、こちらとしてもあまり面白くはない。それこそ、数日と言わずとも、この影時間が終わったらすぐにでも構わんが……どうする?」
喋っている間に大分落ち着いてきた美鶴の言葉に、俺は首を横に振る。
「荒垣だって、子供じゃないんだ。それこそ、数日連絡が取れないからといって、すぐに探されるような真似をするのは、面白くないだろう」
影時間においては、その数日というのは大きな意味を持つ事もあるのだが……今の状況を考えれば、多分大丈夫だ。
勿論、いきなり連絡が取れなくなった事は、こっちとしては面白くはないのだが。
ただ、前にも同じような事があったからか、今はそこまで心配している訳でもない。
戻ってきたら、幾つか文句を言わせて貰うつもりだが。
「アクセルがそう言うのであれば、こちらはそれで構わないが。……いいんだな?」
「ああ。もし荒垣が何か危険な目に遭っているのなら、それこそ助けを求める連絡くらいはしてきてもおかしくないだろうし」
人に頼るという事はあまりしないように見える荒垣だったが、それでも本当に危険になればこっちに頼ってくるだろうという予想はあった。
「そう言えば……」
ゆかりにディアを使われて怪我が治ったコロマルが周囲を走り回っている様子を眺めながら、ふと気になっていた事を尋ねる。
「コロマルの召喚器、一体どうなってるんだ? 幾月の様子を見れば、かなり張り切っているように見えたけど」
「ああ、人間以外のペルソナ召喚者という事に、強いインスピレーションを受けたのだろう。理事長は現在、コロマル用の召喚器の開発に熱中している。……正直なところ、完成するまでは数週間……下手をすれば月単位で時間が掛かると思っていたのだが」
そう溜息を吐く様子を見れば、やはり美鶴にとっても今の幾月の様子は異常なのだろう。
もっとも、俺にしてみれば幾月は色々と怪しい存在であるというのは変わらないんだけどな。
人当たりは良いし、美鶴からも信頼されていて、月光館学園の理事長をしているのを見れば分かる通り、桐条グループからも有能な人材として見られている。
そこまでの事を考えれば、到底怪しいといった事はない筈なのだ。
だが……それでも、俺にとって幾月というのはどうにも信用出来ない
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