ペルソナ3
1950話
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マルが体当たりをする。
紀元前4000年前以上から行われ、数千年近い歴史を持つボクシングは、ことパンチという一点においては最高峰の技術を持つ、洗練された格闘技だ。
だが、それはあくまでもパンチ……立っている人間に対してのものでしかない。
いや、座っている人間に対しても有効的な攻撃ではあるが、コロマルのように地面の近くを走ってくるような相手に対しては、対処のしようがない。
……地面を這うようなアッパーとかなら、可能かも? と思わないでもないが……それは特別な選手しか出来ないだろう。
そんなボクシングに比べ、空手というのは瓦割りを見れば分かるように、格闘技の中で唯一足下に対する拳の攻撃がある。
勿論唯一というのは、あくまでも俺が知ってる格闘技の中でという意味で、もしかしたら俺が知らない格闘技にそんな技を持つものもあるのかもしれない。
だが、少なくても俺が知ってる限りでは、瓦割り……それが氷柱だったり、それ以外の物だったりする可能性があるが、ともあれそんな技がしっかりとあるのは空手だけだ。
そういう意味では、同じ拳を使った技術ということで、真田に空手を習わせてみるのも、面白いかもしれない。
「ふむ、空手か。明彦が望むのならそれを叶えないでもないが……本人が望むか?」
「どうだろうな。俺が見た感じだと、真田はボクシングに拘っているって訳じゃない。模擬戦をしたり、真田と話してみた限り、真田は強くなるのに手っ取り早いからボクシングを選んだ。そんな風に感じるが?」
「……なるほど。分かった。一応後で明彦にも聞いてみよう。それでもし本人が乗り気であるのなら、私の方で手を回す」
美鶴にとって、真田が強くなるというのは決して損ではないのだろう。
それこそ、友人だからこそというのもあるだろうが、純粋に影時間に関しては、手札は多ければ多い程にいいのだから。
そういう意味では、順平に剣道部で必要な竹刀や防具といった一式を買ってやったのと同じような事だろう。
「わおおおおおんっ!」
コロマルが高く吠えながら跳躍し……錐揉み状態? 横回転? そんな感じで拳銃の弾丸のように回転力を強化しながら、真田に向かって突っ込んでいく。
その一撃は、真田にとっても予想外だったのだろう。
だが、それでも長年シャドウと戦ってきた経験からか、真田がコロマルの一撃を回避しながらカウンターを放つ。
「ギャンッ!」
決して思い切り打った一撃という訳ではなかったのだろうが、それでもコロマルにとっては結構痛かったのだろう。
悲鳴を上げながら着地する。
そこで一旦模擬戦は終わり、ゆかりがディアを使って回復させてやる為にそっちに向かった。
にしても、今の攻撃は半ばコロマルの本能的な攻撃だったんだろうが、見た目がかなり
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