第四十三話 阿波野君が気に入れられてその八
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「メール交換しましょうって言ってきて」
「この子から?」
「そうよ、同じ大教会だからとか言って}
あと同じ高校とか言ってです。
「それでなのよ」
「あらあら、阿波野君も積極的ね」
「積極的っていうの?」
「これは見所があるわね」
「全くだな」
何かお母さんとお父さんだけで盛り上げっていました。
「じゃあ今日もね」
「一緒に行ってきたらいいな」
「あの、男の子と二人だけ?」
娘をそれで行かせるのかと聞き返しました。
「実の娘を」
「この子なら大丈夫よ」
お母さんの態度は変わりません。
「千里も安心しなさい」
「何でそこまで言えるのよ」
「お母さんもお父さんもこれまで沢山の人を見てきたのよ」
「そのことは知ってるけれど」
教会長さんと奥さんをやっていますと本当に沢山の人と会います、このことは確かにそうですけれど。
「けれどこの子が安全って」
「はっきり言えるわ」
また私に言ってきました。
「この子にが何もされないわ」
「おかしなことは」
「そうよ、これまでされたことないでしょ」
「随分馴れ馴れしくて図々しい感じだけれど」
このことは変わらないです、初対面の時から。
「それでもね」
「そうでしょ」
「ええ、おかしなことはされたことはないわ」
そんな素振りもなかったです。
「全然ね」
「じゃあね」
「それじゃあなの」
「行ってきなさい」
阿波野君と二人でと思いましたらお母さんは妹達を見てにこりと笑ってこんなことを言いました。
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