第三話
[8]前話 [2]次話
第三話 怪しい美女
小田切君は研究所でタロとライゾウにパソコンでネットを検索してから首を傾げさせつつこんなことを話した。
「何か神戸市の山の方にね」
「何かあったの?」
「美味いものの店でも出来たか?」
「お店じゃなくて洋館が建ったらしいんだ」
「洋館は神戸には多いよ」
「だよな、結構」
二匹は小田切君の話を聞いて別にと述べた。
「だから山の方に建ってもな」
「別におかしくないんじゃ」
「それが変な洋館らしいんだ」
「変な?」
「っていうと?」
「人の気配がしないのにお庭や建物が手入れされてて」
小田切君は洋館についての文章を読みつつタロとライゾウに話していく。
「急に建ってたらしくて」
「急にね」
「それもいつも手入れされてるのかよ」
「けれど人の気配はない」
「確かに変だよな」
「その変な洋館がね」
今現在というのだ。
「神戸で話題になってるんだ」
「ふうん、そうなんだ」
「おかしな洋館だってか」
「あともう一つ噂があって」
「もう一つあるんだ」
「今度は何だよ」
「黒いドレスを着た物凄く奇麗な人が出るらしいね」
二匹にこの話もした。
「白人のね」
「ふうん、白人の人も神戸に多いし」
「っていうか今じゃ日本のあちこちにいるぜ」
白人といってもとだ、二匹は小田切君に洋館の時よりもずっと驚いていない感じで言葉を返した。態度も同じである。
「アジア系の人はもっとだしな」
「黒人の人だってじゃない」
「ううん、それがこの世のものとは思えない美人らしいんだ」
「ああ、美人さんもね」
「神戸には多いぜ」
「何か多いばかりだけれど話題になってるよ」
洋館と美人のことがというのだ。
「何かとね」
「とにかくその二つがだね」
「今の神戸の話題か」
「ネットでね」
そちらでというのだ。
こうした話をだ、小田切君はタロとライゾウに話した。彼等はこの時これから神戸で何が起こるのか全く知らなかった。
第三話 完
2017・12・13
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ