第二章
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「やっぱりね」
「そうなのね」
「うん、目玉焼きがね」
何といってもというのだ。
「好きだから」
「それでなの」
「そっちを作るから」
そうするというのだ。
「好きにしていいって言われたら」
「おうどんを作っても」
「月見うどんだよ」
これになるというのだ。
「自由にしてって言われたら」
「そっちになるのね」
「やっぱりね」
満月ならというのだ。
「それだね」
「満月君らしいわね」
「うん、だからね」
「それじゃあ何かあったら」
「作るよ、目玉焼きとかをね」
まさにというのだ。
「そうするから」
「そうなのね」
「うん、是非ね」
笑顔で言う彼だった、そしてだった。
その料理を作る時が来た、満月は他の戦士達と共に住之江区の公園での催しの人手が足りないので助っ人に出た、これも大阪を護る二十六戦士の務めだ。
その際だ、他の戦士達は満月に言った。
「そっちは卵料理頼めるか?」
「満月君はそっちしてくれるか?」
「こっちはこっちでやりますので」
「そちらお願いします」
「わかりました」
すぐにだ、満月は仲間達に答えた。
「じゃあすぐに作ります」
「今回はお客さんの注文次第だから」
「注文に応じて作ってね」
「そうしてね」
「そうします」
満月は仲間達に答え出店の中に入った、そうして鉄板の火を点けて鍋ではゆで卵を作りはじめた。その彼にだ。
客達は次々に注文した、大抵の者は満月の得意料理である目玉焼きを注文していた。だが中にはだった。
「卵焼き作れるかい?」
「卵焼きですね」
「ああ、それ出来るかい?」
こう言って来る客もいた。
「そちらも」
「はい」
満月は客に笑顔で答えた。
「出来ますよ」
「あんたはあれだけれどな」
その客は満月に笑ってこうも言った。
「やっぱり目玉焼きだろ」
「得意料理はですね」
「大好物のな」
「はい、そうですが」
それでもと言う満月だった。
「作れますよ」
「そうなんだな、実は俺卵焼きが好きでな」
それでというのだ。
「今食べたくなってな」
「それで注文されたんですね」
「ああ、宜しく頼むぜ」
満月に笑顔で言った、その笑顔に悪意はなかった。
「今からな」
「はい、それじゃあ」
満月はコンロの方に行ってそこにも火を点けた、そうして卵焼き用のフライパンを出してそこにとじた卵を入れて。
見事な手際で卵焼きを作った、その卵焼きを紙の皿の上に乗せて客に出した。
「どうぞ」
「あっ、早いね」
客は満月が出した卵焼きを見てまずはこう言った。
「もうかい」
「お料理することも多いですからね」
「大阪二十六戦士としてだね」
「こうした時の助っ人に来ることも多いですから」
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