ペルソナ3
1949話
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然のように、そうなれば俺達の姿は他の者達にも見られる。
「おい、見ろよ。魔王だ……」
「え? あの男が? 嘘だろ? どう見ても、そんなに強い奴には見えねえぞ?」
「ばっか、お前。あいつ1人に名だたるチームが幾つも負けてるんだぞ? 噂じゃサイクロプスの連中も動くとか何とか……」
「マジ? あのサイクロプスが? ……となると、また大きな騒動が起きそうだな」
「魔王はいいんだけどよ。あの魔王と一種にいる美人の姉ちゃんは誰よ? 随分気が強そうだけど」
「ああ、あの女は魔王の女だ。何でも外見通りに……いや、外見とは比べものにならないくらいに強いらしい」
「うげ、どんなんだよ。……いい身体、してるのにな。魔王ともなれば、毎晩ああいう女を抱けるんだろうな」
「魔王って位だから、勿論絶倫なんじゃないか? となると、あの気の強そうな女も、毎晩ヒィヒィ言わされてるんだろうな。うわ、興奮してきた」
「おい馬鹿、こんな場所で催すんじゃねえ」
本人達としては、別に俺に聞かせるつもりで喋っている訳ではないのだろう。
だが、常人とは比べものにならないだけの聴覚を持つ俺にはしっかりと聞こえてきたし……俺程聴覚が鋭いわけではないだろうが、それでもタルタロスでの戦いの影響か、高い戦闘経験を積んで五感が鋭くなっているゆかりの耳には、今の言葉……特に最後の方はしっかりと届いたのだろう。
羞恥……もしくは怒りで、顔を真っ赤に染めながら、噂話をしていた不良達の方に鋭い視線を向ける。
『ひぃっ』
そんなゆかりの様子に気が付いたのか、噂話をしていた不良達は一目散にその場から逃げ去っていった。
うん、最後の方はともかく……最初の方に聞こえてきた話だけを聞けば、どこからどう考えても不良漫画の展開だよな。
そんな風に思いながら……そして歩いている途中で他にも何人かの不良にゆかりが鋭い視線を向けるという真似を繰り返しつつ、俺達は道を進んでいく。
だが、どこまで進んでも荒垣がいるような様子はない。
さっきのドレッドヘアの男が騙したのか?
一瞬そうも思ったが、あの状況でこっちを騙しても、向こうには百害あって一利なしといった状況だろう。
となると、やはり荒垣は今日ここに来ていないという事か。
「どうする? ここをもう少し探していくか? それとも、もう戻るか?」
「うーん、そうね。もう少し探してどうにもならないようなら、戻りましょ。コロマルの事については、メールで知らせておけばいいでしょうし。……荒垣さんからの返信はないみたいだけど、見てないって事はないでしょうし」
「そうだな。……けど、今日はタルタロスの攻略は止めておいた方がいいか? コロマルがいる状況で、更に荒垣がいないとなると、ゆかりの負担が大きすぎるだろうし」
「ていうか、ま
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