第5章:幽世と魔導師
第143話「利根川の龍神と…」
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転移すると、忍さんが出迎えてくれた。
まぁ、転移がわかるように先に魔法陣が出現するからな。
ちなみに、短距離なら魔法陣なしで出来たりする。
「こっちの状況はどうなってますか?」
「他の県と比べて穏やかよ。門が閉じられ、恭也達が警察と協力してるから、妖もあまり見かけないわ」
「……通りでピリピリした空気がない訳だ」
転移先は月村邸の一室。多分、避難してきた人達は大広間や個室に入っているんだろうけど、周囲から感じる気配は、割と安心している気配が多い。
「それで、優輝君はどうしてこっちに……それも、女の子を連れて。駆け落ち?」
「えっ、えっ?」
「変な事言わないでください。情報を交換するためにも安全な場所が必要だからですよ。ここなのはあっちはダメだと言われたので」
「なるほどね。……夜も遅いのだし、ゆっくり……はしないわよね。すずかも頑張ってるみたいだし」
「時間がもったいないですしね」
とりあえず、場所を提供してもらったので落ち着いて話し合えるだろう。
……まずは、彼女が落ち着いてからだな。
「…落ち着いたか?」
「……はい。すみません、取り乱していました。……転移も扱えるんですね」
「まぁ、使えるものは使うからな」
落ち着いたようなので、話を聞いて行こう。
「まずは自己紹介からだな。僕は志導優輝、現在起きている事件を解決している一人だ」
「……瀬笈葉月です」
そう名乗った彼女は、花と葉っぱの髪飾りで黒髪をツーサイドアップで短く纏めた、幼さの残る容姿をしていた。
見た所僕と同い年ぐらいだが……椿たちみたいに年齢不相応な容姿じゃないよな?
「助けた時の様子を見る限り、霊術を扱えるみたいだが……」
「…はい。一応、自衛できる程度の霊術は知っています。ですが、体が慣れなくて……」
……ん?“知っている”?“体が慣れない”?
どう言う事だろうか?
「あ、あの、私以外にももう一人、霊術を使っている人を見ませんでしたか!?」
「……いや、あの周辺には君以外は見ていない」
あの辺りの気配は一応探ってはいたが、妖以外はいなかった。
「……そう、ですか…」
「…あそこにいた経緯を聞いていいか?」
「……はい」
「―――と言う感じです。後は、志導さんの知っている通りです」
彼女の話した内容としては、同行していた人物と共に東の方へ向かっており、休憩のために仮眠を取っていた所を襲撃され、その同行者が囮となってはぐれたらしい。
その際に一度気絶してしまい、目を覚ました後はずっと追いかけられていた…と。
「経緯は分かった……が、隠している事があるだろ
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