第5章:幽世と魔導師
第143話「利根川の龍神と…」
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助けないとな。
「っ……!ぁっ…!?」
「(間一髪……!!)」
辿り着いた時、逃げていた人……少女は、追いかけてきていた妖に向けて霊術を放とうとして、地面にあった木の根で躓いてしまっていた。
もう少し遅ければ、危なかっただろう。
ギィイイン!!
「っ、せいっ!!」
ドンッ!!
襲い来る妖の攻撃を代わりに受け、霊力を空気法のように撃ち出して吹き飛ばす。
「っ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……!あ、貴方は……」
「説明は後!今はこいつらを……!」
〈Explosion〉
「一掃する!」
―――“Durchbohren Beschie?ung”
かなり走ったのだろう。息を切らしながら少女は僕が何者か聞いてくる。
だけど、それに答えるためにも、まず妖を一掃する。
カートリッジを使った砲撃魔法を使う事で、直線上の妖は一掃した。
「討ち漏らしの数は!?」
〈12体です!〉
「よし!」
残った妖を、創造した剣で刺し貫く。……これで完了だ。
「す、凄い……」
「……っ、はぁ……強い妖じゃなくて助かった」
一掃してから襲ってきた疲労感に、思わずそう呟く。
……さて…。
「『クロノ、成り行きで一人保護したんだが……』」
『……説明を省くな。いきなりすぎる』
「『悪い。簡単に言えば偶然遭遇して、助けたんだが、アースラに連れて行ってもいいか?』」
ここは安全とは言えない。そのため、アースラに連れていけたいいんだが…。
『そんな犬猫みたいな言い方……。ああいや、さすがにアースラは厳しい』
「『…そうか』」
いくら魔法などの秘匿が手遅れになったとはいえ、無闇にアースラに連れていくのは厳しいか…。霊術はともかく、魔法は知らない人だからな…。
「『仕方ない。それならこっちで……』」
『その代わりだが、先程すずか経由で連絡があった。バニングス邸と月村邸を避難場所に使ってもいいとの事だ。海鳴市はだいぶ安全になったからな』
「『っ、そうか。わかった』」
都合がいい。二人の家なら相当な広さだし、もし大人数でも何とかなる。
……と言っても、海鳴市の人もそこに避難しているんだったな。
「……あの…?」
「悪い、ちょっと移動するぞ。掴まっていてくれ」
「え、え?あの…一体……」
「転移!」
次の妖が寄ってくる前に、僕は転移魔法を使って少女と共に移動した。
移動先は月村邸。妖関連ならそっちの方が話しやすそうだ。
「……っと」
「……いきなりやってきたわね」
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