第5章:幽世と魔導師
第143話「利根川の龍神と…」
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=優輝side=
「っ……!」
嵐のような霊力の奔流に、僕は翻弄される。
何とか体勢を立て直した所へ、龍神の尻尾が叩き込まれた。
ギィンッ!
「くっ…!」
リヒトを添えるように構え、受け流しつつ間合いを離すように吹き飛ぶ。
すぐさまリヒトを地面に突き刺し、僕は着地する。
「……パワーアップするなんて、聞いてないんだが」
〈先程までと比べ、霊力の出力が桁違いですね……〉
〈最低でも、3倍の出力になっています〉
リヒトとシャルが、霊力を計測してそういう。
……そう。途中までは、利根龍神を順調に追い詰めていた。
だが、途中でいきなり利根龍神の様子が変わったのだ。
まるで、今までは目覚めたばかりで寝ぼけていたかのように。
「……軽く見積もって、霊魔相乗を使った方が消耗が軽く済みそうか」
〈…そうですね。ただ、負担が掛からない6割未満が条件です〉
「了解」
―――“霊魔相乗”
両の掌で霊力と魔力を混ぜあわせ、身体強化を施す。
羽のように軽くなった体で、利根龍神に目がけて駆ける。
「『我が洗礼を受けよ――』」
「っ……!」
―――“滅頂之災”
その瞬間、利根龍神から途轍もない呪詛が発せられた。
「っ、術式五重!!」
―――“扇技・護法障壁”-五重展開-
咄嗟に、事前に用意しておいた手札を切る。
一枚一枚に障壁の術式が込められた御札を五枚、一気に投げる。
さらに、その障壁を強化するために霊力を流し込む。
「ぐぅうううううううっ!?」
……何とか凌ぎきった。
しかし、障壁は全て割れ、周囲の木々は枯れ果てていた。
「(……ここまで強力な呪詛だったか…)」
まともに受けていればひとたまりもなかっただろう。
「せぁっ!!」
次の手に移られる前に、こちらから攻める。
現在、利根龍神は纏うように霊力の嵐を放出している。
川を源に生まれた龍神だ。流域面積日本一の川となれば、この凄さも納得だ。
「くっ……!」
何度も斬りつけるが、この程度ではびくともしない。
ましてや、普通に斬りつけてもこの巨体じゃ意味がない。
それどころか、体をうねらせる事で僕を空中へ投げ出し、爪を振るってきた。
ギィイン!!
「っ……!!」
即座に僕は魔法で自分の体重をゼロに等しい程まで軽くする。
そうする事で、爪の一撃を受け流した際に、ダメージをほとんど追わずに済む。
だが、体勢も崩れるので、受け流した直後に転移して体勢
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