第四章
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「罪は償うべきだからね」
「だからだってのかよ」
「そう、君に今から神罰を与える」
言いつつだ、銀山に再び近寄り。
腹を何度も蹴り飛ばす、少年は顔に何の表情も見せず行った。
そうしてだ、ナイフを出して言うのだった。
「死んでもそれしか考えられない位の恐怖と絶望と苦痛を与えてあげるよ」
「ひ、ひい・・・・・・」
銀山は少年が言う通りの報いを受けた、そして翌朝彼が通っていた学校の校舎の一つの壁に彼が全裸で磔にされていた。
その磔にされた骸を引き下ろして検死してからだ、検死官の者は署長に言った。
「酷いものでした」
「見てわかったがどんなものだった」
署長は自分の部屋で言う検死官に問うた。
「一体」
「睾丸は両方共破裂して顔の骨が五カ所骨折していました」
「顔もか」
「歯は二十本折れていて」
検死官はさらに話した。
「アキレス腱は切られ膝は両方とも砕かれていてです」
「膝もか」
「肘は右は砕かれ左は折り曲げられ」
「他にも手には骨折があったな」
「両手の平が潰されていました、両足の膝は鉄で貫かれ」
足首の方もというのだ。
「鼻は切り取られ耳もそうなり」
「内臓もだったな」
「はい、胃と小腸、十二指腸が外からの度重なる打撲で破裂し」
「破裂か」
「そのうえで身体に百五十二ヶ所の裂傷がありました」
「切り傷も酷いな」
「内臓破裂と出血が直接の死因です」
「そうか、あらためて聞くとな」
見るだけでなくとだ、署長は述べた。
「惨いな」
「校内で問題になっていた札付きの不良でしたが」
「その不良をな」
「はい、実に酷くです」
「殺したな」
「犯人の手掛かりですが」
「遺体からはだな」
「一切です」
それこそというのだ。
「ありませんでした」
「そうか、だがな」
「誰が殺したかはですね」
「神戸の奴だな」
署長は確信を以て言い切った。
「これは」
「よくそう言われていますが」
「君もそう思うだろう」
「ここまで無残な殺し方をする人間はそうはいません」
検死官はこのことから述べた。
「それも証拠を一切残さず」
「その証拠を残さず姿も見せない」
「まるで影の様に近付き殺す有様は」
それこそというのだ。
「他にありません」
「その独特な殺し方といいな」
「相手を徹底的に嬲り殺しにするな」
「そうした殺し方はです」
それはまさにというのだ。
「そこも特徴です」
「証拠、目撃例も一切ないことといいな」
「あまりにも全てが人間離れしていて」
「他の容疑者は考えられないな」
「一切」
それこそというのだった、検死官も。
「私もです」
「神戸の殺人鬼だな」
「謎の連続猟奇殺人鬼ですね」
「他には考えらない、大阪でもか」
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