暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica8-C邂逅〜Heiliger Prinzessin unt Kaiser〜
[3/8]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
ら、言い訳も何も考えていなかった。陛下は「あなたがヴィヴィオ達に会わない理由を考えてみました」と言い、再び私の前に立ちはだかりました。
「考えられたのは2つでした。1つは今のヴィヴィオ達が倒すに相応しくない弱さだからです。オリヴィエのクローンとは言え、ヴィヴィオが受け継いでいるのは金の髪と紅と翠の光彩異色、そして虹色の魔力光。その圧倒的な戦闘能力は見る影もなし。だから仕掛けない。もう1つは・・・貴女が迷っているから」
「・・・! なにを・・・。ありえません。私が何に迷っていると・・・?」
陛下の瞳が、私の瞳を真っ直ぐ射抜く。見透かされている。陛下は「あなたの感情は表情に出にくいのですね。が、その綺麗な紺と青の瞳は感情に揺れています」と、自身の瞳を指差しました。
「確信しました。迷いと恐れ、ですね。以前あなたは言っていましたね。その後悔をぶつける相手ももう居ません、と。ならばぶつけなさい、ヴィヴィオに。彼女には貴女の事は話してあります。それでもなお貴女と会ってみたいと言いましたよ。わたしに出来る事ならやります、と」
「・・・優しさだけでは覇王は救われませんし、私の拳はヴィヴィオさんをかえって苦しめる結果になるだけです。ですので、お誘いは丁重にお断りさせていただきます」
改めて一礼したところで、「それではいつまで経っても
アインハルト
(
あなた
)
は救われません」と陛下が私の両肩に手を置きました。
「クラウスは自分ひとりで背負い込まず、周囲に助けを求めたようですよ?」
イリュリアとの戦争で、クラウスはすぐにオーディンさんに助けを求めた。あのお方が自らの目的のためにベルカへ来たと知っていながら。それでもオーディンさんは応え、グラオベン・オルデンを率いてすごい功績を上げてくれました。
「いくら覇王の記憶を承継していても、貴女はまだ11歳の子供です。まだまだ幼い。すべてを背負って苦しむ必要はありません。頼りなさい、周囲を。弱音を吐いたっていいのです」
子供を諭す大人のような事を言う陛下。事実、私は子供で、陛下は数千年を生き永らえている正真正銘の王。私より少し背の低い方なのに、なんと堂々とした御姿なのでしょうか。ですが、それでもまだ踏ん切りがつきません・・・。
「(とはいえ、これ以上断りを入れたとしても、おそらく誘いは後日にまで続くのでしょう・・・)判りました。お誘いをお受けします」
「そうですか! では早速これから!」
満面の笑顔を浮かべる陛下ですが、残念ながら「行けません」と私は断った。すると陛下は「はい?」と心底不思議そうに小首を傾げて、「あれ? 今、お受けします・・・って」と、大変ショックを受けていられるようで・・・。
「今日は記憶承継のための通院日ですので」
「・・・あ! そ
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ