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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica8-C邂逅〜Heiliger Prinzessin unt Kaiser〜
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ら、言い訳も何も考えていなかった。陛下は「あなたがヴィヴィオ達に会わない理由を考えてみました」と言い、再び私の前に立ちはだかりました。

「考えられたのは2つでした。1つは今のヴィヴィオ達が倒すに相応しくない弱さだからです。オリヴィエのクローンとは言え、ヴィヴィオが受け継いでいるのは金の髪と紅と翠の光彩異色、そして虹色の魔力光。その圧倒的な戦闘能力は見る影もなし。だから仕掛けない。もう1つは・・・貴女が迷っているから」

「・・・! なにを・・・。ありえません。私が何に迷っていると・・・?」

陛下の瞳が、私の瞳を真っ直ぐ射抜く。見透かされている。陛下は「あなたの感情は表情に出にくいのですね。が、その綺麗な紺と青の瞳は感情に揺れています」と、自身の瞳を指差しました。

「確信しました。迷いと恐れ、ですね。以前あなたは言っていましたね。その後悔をぶつける相手ももう居ません、と。ならばぶつけなさい、ヴィヴィオに。彼女には貴女の事は話してあります。それでもなお貴女と会ってみたいと言いましたよ。わたしに出来る事ならやります、と」

「・・・優しさだけでは覇王は救われませんし、私の拳はヴィヴィオさんをかえって苦しめる結果になるだけです。ですので、お誘いは丁重にお断りさせていただきます」

改めて一礼したところで、「それではいつまで経ってもアインハルト(あなた)は救われません」と陛下が私の両肩に手を置きました。

「クラウスは自分ひとりで背負い込まず、周囲に助けを求めたようですよ?」

イリュリアとの戦争で、クラウスはすぐにオーディンさんに助けを求めた。あのお方が自らの目的のためにベルカへ来たと知っていながら。それでもオーディンさんは応え、グラオベン・オルデンを率いてすごい功績を上げてくれました。

「いくら覇王の記憶を承継していても、貴女はまだ11歳の子供です。まだまだ幼い。すべてを背負って苦しむ必要はありません。頼りなさい、周囲を。弱音を吐いたっていいのです」

子供を諭す大人のような事を言う陛下。事実、私は子供で、陛下は数千年を生き永らえている正真正銘の王。私より少し背の低い方なのに、なんと堂々とした御姿なのでしょうか。ですが、それでもまだ踏ん切りがつきません・・・。

「(とはいえ、これ以上断りを入れたとしても、おそらく誘いは後日にまで続くのでしょう・・・)判りました。お誘いをお受けします」

「そうですか! では早速これから!」

満面の笑顔を浮かべる陛下ですが、残念ながら「行けません」と私は断った。すると陛下は「はい?」と心底不思議そうに小首を傾げて、「あれ? 今、お受けします・・・って」と、大変ショックを受けていられるようで・・・。

「今日は記憶承継のための通院日ですので」

「・・・あ! そ
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