第22話『神話の時を超えて〜対峙した魔王と勇者』
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尊敬するアルサスの領主――ティグルヴルムド=ヴォルン。
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民を守る為なら『形振り敵わず戦う』赤い髪の男が、囚われたままで終わるはずがない。いつか、どこか、必ず『反撃の嚆矢』をうかがっているはずだ。
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少し薄れてきた分厚い雲から覗き込む、星の海の夜空に、皆は想いを馳せていた。
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足を進めると、そこには『決別』が先ほど行われていたような光景が広がっていた。
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獅子王凱、シーグフリード、フィグネリア、ティッタと少女の5人はノアに導かれるまま、魔王の居座るセレスタの中心部――ティグルの屋敷前までたどり着いた。
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あのあと、ザイアンは一人離れていずこかへ去っていった。ただ「いつか星の丘で」と言い残して。
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自分には、自分だけにできる戦いがある。それは、彼自身一人で挑まなければならない戦い。
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――彼もまた、ティッタと同じく『理想世界を先導する超越者―アンリミテッド』の一人かもしれない。
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そんなことを考えながら凱とティッタは歩いていると次第にシーグフリード達に追いついていた。
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どうやらこちらに合わせて待っていてくれたらしい。最も、もう『ヴォルン家の屋敷』の手前なのだから、まとめて顔合わせしたほうが何かと手間を省けるとのことで。
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「随分と遅かったですね、ガイさん」
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「手間をかけた、ノア」
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「僕は全然構いませんよ。心残りがあるままではとても『謁見』など叶いませんから」
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謝罪する凱の言葉に対して全く気にした様子を見せないノア。それにしても――
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(……謁見か)
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幾多の戦歴を持つ凱とて、これから相対する存在に対して冷や汗を垂らす。
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ここから先の戦いは、竜具のような武力に依存してはいけない。口から放たれる言葉一つが、手に持つ刃の太刀筋が、今後の展開を著しく左右する。
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そして凱はティッタに視線を配る。恐らく、この『一戦』を制するのはもしかしたら――
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「テナルディエさん、連れてきましたよ」
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ご苦労と一言労って、奴隷と化しているアルサスの民に生産活動を止めるよう、武官たちに指示を出す。
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「手間をかけた。下がっていろ」
「はい」
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凱たちの不意打ちを考慮して、テナルディエはノアに手短な支持を出した。
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ノアの明快な声が一帯に響く。夜の静けさも相まってか、彼のような優男の声でもよく鮮明に聞こえる。
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ゆっくりと暗闇が明るみ
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