第22話『神話の時を超えて〜対峙した魔王と勇者』
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その言葉を理解するに、いくばくかの時間を要した。あの冷酷非道なる魔王がそのようなことを口にしたからだ。
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兵達の間で動揺が走り、アルサスの民の間にも衝撃が迸る。
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「……退いてくれるのですか?」
「ああ。契約の神ラジガストに誓って」
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ブリューヌ、ジスタート双方で信仰される神柱の名だ。この名を宣言することは、絶対不変の意味を持つ。悪魔契約も同様に。
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「この娘……本当に成し遂げたのね」
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フィーネの心中に感涙と動揺が同時に走った。ありえないと読んでいた展開が、予想外へとつながったのだから。
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だが、それはティッタ一人の力ではない。
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「ティッタといったな。ガイに感謝するがいい」
「いわれるまでもなく、それは初めから感謝しています。シーグフリードさんにも、フィグネリアさんにも、そして――」
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ティッタは隣にいる少女へ視線を送る。
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「この小さな名も知らない少女にも」
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そして、フェリックスの言葉はこれだけで終わらない。
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「だがな、これで終わりではないぞ?」
「勝ち逃げは許さないとおっしゃいますか?」
「無論だ。せめてここを去る前に――――『置き土産』をせねばならん」
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太く、鋭いテナルディエの指がパチンと鳴る。
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深い夜にもかかわらず、凱達は上空から『影』の存在を察知した。それは獲物へ急降下する『隼』を思わせた。
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不遜なる存在の名乗りと声色に、凱とティッタは聞き覚えがあった。
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忘れもしない、アルサスで金欲しさに領内を暴れまわった不法者。
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その名は――
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「アルサスを統括するこのドナルベインが相手だ!」
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輪廻の摂理は凱とドナルベインの再戦を運命に仕組ませた。
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