暁 〜小説投稿サイト〜
魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
第22話『神話の時を超えて〜対峙した魔王と勇者』
[3/21]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
?それはまだ君の父さんの心に、息子を想う気持ちが残されている何よりの証拠だと、俺は信じている!」
?
?
かつてサイボーグ時代の中、EI-02戦の影響で医療室に立ち会わせていた恋人と実父の言葉を思い出していた。

?
当時、文字通り鋼の身体だった凱の生命維持は困難を極めていた。異文明からもたらされた――ということもあるが、何より地球外知生体による戦闘の中でのものが大きく、最終可変超人合体(ファイナルフュージョン)から勇者王最強攻撃(ヘルアンドヘブン)に続く展開を避けられなかった。

?
生命維持グラフ。それはずっと規定数値を境にしてレッドゾーンに触れており、あたかも凱に残された、かすかな命の残り火を揺らめかせているかのようだった。
?
?
?
?
?
?
――どうかね、(ミコト)君。凱の様子は?――
?
?
――麗雄博士……生命維持グラフがずっとレッドゾーンで――
?
?
――まあ、時期に回復するじゃろうて。ハッハッハ!――
?
?
――あんな状態で戦わせるから!博士は凱が心配じゃないんですか!?――
?
?
――子供を心配しない親が何処におる!?――
?
?
――あ……!――
?
?
――……凱は2年前に死んどるはずだった。命君、凱がこうしてサイボーグとして生きてくれとるだけで嬉しいんだ――
?
?
――……博士――
?
?
――だから、こいつのやりたいことをやらせてやりたい。敵との戦いも凱が自ら望んだことだ――
?
?
――ご……ごめんなさい……私……私!――
?
?
――いいんだよ。命君がいるおかげで、凱も安心して戦えるんだから――
?
?
?
?
?
?
?
?
?
?
?
そんなことを、思い出していた。
?

意識不明――人工呼吸器という生命維持の仮面(マスク)を被るメディカル中の凱に、当然両者の言葉は届いていない。でも、記録装置(メモリー)という電子記号の形でしっかりと凱の脳内に保存されていた。

?
だからザイアンに伝えたい。こうして生きていること自体が、君自身の進む道を――認めている証拠だと。

?
例え、それが方向(ベクトル)を違える対立する道になろうとも。
?
?
「だからザイアン――君は選ばなきゃならない」
?
?
唐突に凱が訪ねた。ザイアンがふっと顔を堅くして、ティッタが意表を突かれたような顔でガイを見やる。
?
?
「一人で銀の流星軍の幕舎へ来た時からの君を見ているし、状況が状況だ。信じる軍旗や着こんでいる甲冑にこだわる気は、少なくとも俺にはない」
?
?
凱は時折見せる、悲痛な視線をザイアンに向ける。
?
?
「ここから本格的に、状況次第だと俺は君の父さんと本気で剣を
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ