そして大地が消え去った
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かい》もわざわざ出迎えに来てくれたのかい?」
「戦いが始まるからな」
その男が登場した途端、笑っていた16のメンバーたちの顔が険しいものになった。だが、ゼレフは全く気にした様子もなく、“天下無双天海”はアジィールのように、戦いを楽しみにしているのか不敵な笑みを見せ続けている。
「陛下・・・旅からのご帰還!!まことに喜ばしい限りでございます!!おっと・・・」
そこにまた新たに1人の老人がやって来た。だが、彼からは他のものたちのような魔力は感じない。彼は陛下に近付いていったが、何か問題があったのか足を引きずりながら後退する。
「心配しなくていい・・・ここ数年、アンクセラム神は機嫌がいい」
「いやはや・・・私ごときでは近付いただけで魂を抜かれかねませんからね」
ヤジールはゼレフの矛盾の魔法により死なないようある程度の距離を取るようにしているようだ。そんな彼の後ろから、1年前より髭が伸びたマカロフが現れる。
「陛下のご不在中にイシュガルからの使者が来てるというお話は耳に届いてますな?」
「うん、聞いてるよ」
「どうしても今すぐ会いたいと申すもので、お目通しだけでもと思いまして」
マカロフが対面を急いだのには理由があった。それはもちろん、なぜゼレフがアルバレス帝国の皇帝になっているのか、ということである。
「ヤジール様、宮殿に他国の者を招くときは正式な書類を作成して―――」
「いいよ」
規則にきびしいインベルがヤジールの行動を責めるがゼレフがそれをまたも遮る。マカロフはそれに一瞬躊躇ったものの、片膝をついて頭を下げる。
「お・・・お初にお目にかかります・・・陛下・・・」
周りからは一国を束ねるものに対して緊張して言葉がうまく出ないようにも見えるが実は違う。ただ、彼は最悪の黒魔導士に頭を下げることが非常にみっともないことだと考えてなんとか言葉を絞り出したのだ。
「2人だけにしてくれるかい?」
ゼレフはそれを察すると、彼をつれて宮殿内の広場へと足を運んだ。
「お主は皇帝スプリガンなのか?それともゼレフなのか?」
最も気になったことを問いかける。ゼレフは彼に背を向けたまま、城下を見下ろしつつ答えた。
「両方だよ。君たちにとってはゼレフ、西の大陸ではスプリガン。まぁ・・・どちらかと言われればゼレフなんだろうね」
黒魔導士ゼレフであり皇帝スプリガンでもある彼は、そうなった経緯を話し始めた。自分がこの世界で生きる意味を探し続けていること、竜王祭の準備をしてきて、何百年か前にこの大陸で国を作ることにしたこと、そして今では多くのギルドを吸収して大国となったこと。
「ルーメン・イストワールを
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