そして大地が消え去った
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「おかえりなさいませ、陛下」
アルバレス帝国の城で陛下と呼ばれた男を真っ先に迎え入れたのは銀色の髪を束ねた眼鏡の青年。問題は、彼が迎え入れた人物だ。
「ただいま、インベル」
その男は大陸にて最凶と称される黒魔導士、ゼレフなのだから。
「早速だけど“16”を全員集められるかい?」
「すぐには・・・」
ゼレフの願いに“冬将軍インベル”は申し訳なさそうに答える。
「あれ?僕は呼ばれて来たんだけどなぁ、ホッパー」
「すみません。予定よりも出国に時間がかかったもので、いつになるかわからないと連絡しておりました」
そう答えたのは黄緑色の髪をしている男、ホッパー。彼は以前フィオーレ国王暗殺を企て騒ぎを起こし、ゼレフを呼び寄せようとした張本人だ。
「いつ吹くと知れない春一番を予期することは、誰にも出来ません」
「おやおや、僕は気まぐれな風かい?」
「風・・・黒い風。いや・・・死をもたらす暗黒の嵐」
自由気ままなゼレフに嫌味を言ったインベルの後ろから金髪の女性と色黒の男が姿を現す。
「皇帝に春の風など似合うまい」
「砂漠!!そうさ、たんたは死の大地に舞う砂塵がいい!!」
インベルの例えを否定したのは“戦乙女ディマリア”と“砂漠王アジィール”。その声を聞いたゼレフは後ろを振り返る。
「ディマリア、アジィール、元気そうだね」
「2人とも、陛下に対する言葉にはもう少し―――」
「いいんだよ、インベル」
アルバレス帝国皇帝のゼレフに対する話し方にインベルが注意しようとするが、それは穏やかな性格のゼレフによって阻止された。
「そういう陛下もお元気そうで・・・ずいぶんと明るくなられた」
そこにまた新たに1人、今度は白い髪と髭を伸ばし、大きな杖をついた老人がやって来る。
「そうかな?」
「答えは出た・・・ということですかな?最終決戦の」
“魔導王オーガスト”齢80は越えているであろう風貌ながら、その雰囲気なただならぬものを感じさせるほどにキリッとしていた。
「イシュガルでは竜王祭と言うんだよ」
「戦い!!いい!!いいぞぉ!!」
そこにいた全員が2人の会話に笑みを浮かべる。アジィールに至っては、頬を高揚させ今にも飛び出さんばかりだ。
「イシュガルとの戦いってことでいいのよね?陛下」
そこにさらに1人・・・いや、黒髪の女性の後ろからもう1人男が現れる。
「やっと復讐ができてうれしいかい?リュシー」
「えぇ!!もちろん!!」
“破壊の女神リュシー”、カミューニ、ノーランと並ぶBIG3と言われた彼女は、あろうことかイシュガルと敵対するアルバレスの幹部に就任していた。
「|天海《てん
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