そのいち
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今日は珍しくショウの部活が休みだったので近くのショッピングモールに来ていた。
「はぁ…おい灯俊、なんでヤローとこんな所に来なきゃいけないんだ…」
「しゃぁねぇだろ、ここしか空いてなかったんだから」
「だからってこれは無いだろう!」
いやぁ…
「いいじゃんスイパラ、ここの結構旨いぞ?」
「よく来るのか?」
「うん、葵とね」
アイツあんななのに甘い物は好きなんだよな…ま、俺もだけど。
「で、俺のせっかくの休みに呼び出して何の用だ?」
ん?
「特に用はない、暇だったからな」
『誰でもいいから一緒に居たい』なんて言えないしな。
「俺の休日がぁ…」
「いいじゃねぇか、どうせ家でゴロゴロしてんだろ?」
「お前はいいよな…文化部で…」
「まぁな、でも先週はこっちも休日にあったんだぜ?」
「はぁ?お前の部活ってオカルト部だろ?」
オカルト部、そこが俺が所属する部、部員三名の部活で存続が危ぶまれているのだ
「ああ、顧問の先生の発案で悪魔の召喚をな…」
と言ったらショウの視線が怪しい物を見る目付きになった。
「悪魔の召喚?VRゲームのし過ぎで遂に現実とゲームの区別が付かなくなったか?」
まったく酷い言われようだ、俺の提案じゃねぇっつの…
「だから顧問の発案だって、まぁ俺等もノリノリだったけどな」
「ほーん、で?具体的に何をしたんだ」
「というと?」
「だから何をどうやって、何を呼び出そうとしたんだよ?」
あぁ、そう言う事か。
「学校の裏山の地面に魔円陣を書いて生け贄を置いて…」
「生け贄!?何を!?」
「鹿。先生が射ってきた」
「はぁ!?あの人猟銃免許持ってるのか!?」
因みに顧問の先生は俺達の担任だ。
「何を言ってるんだ?教員の3割は持ってるぞ?」
この壱対島(いつしま)は壱岐、対馬、五島のちょうど中間にある。
地理的要因から特殊な生き物が多い。
それに加え害獣も多いので猟銃免許を持つ人間は多い。
「まじかぁ…」
それにアルゴの調べだから間違いない。
「でさ、諸々の準備を終えていざ召喚しようとしたんだけどさ俺以外の二人がチキッてさぁ」
「チキッた?どうチキッたんだ?」
「召喚の時なんだが陣に術者の血を垂らすんだけどそれを嫌だって言ってさぁ。
結局俺一人の血を使う事になったんだよ」
「ほーん…そんなので怖じ気付くくらいならやるなよって話だな」
「いやぁー…それが…その…」
まさか…あんな事が起こるとはねぇ…
「ん?何か有ったのか?」
「うん…呪文唱えてたらいきなり陣が発光し始めてな…慌てて陣を崩したんだ。」
またもやショウの視線がきつくなった。
「あ、その顔は信じてないな?」
「ったりめー馬鹿」
ま、葵も笑ってたしな…
「その後は急いで帰って出来る限りの魔除けをしたよ」
「
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