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転生とらぶる
ペルソナ3
1948話
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 しん、と。
 巌戸台分寮のリビングルームに、そんな静寂が広がる。
 俺が何を言ってるのか、意味が分からない。
 そんな風に視線を向けてくる美鶴や、それ以外の面々。
 ……まぁ、それも無理はないか。
 実際にペルソナを召喚するのをこの目で見たからこそ、この犬がペルソナ使いだと認識出来る俺やゆかりと違って、他の面々はそれを理解出来ないのだから。

「えっと、それ……ギャグか? その犬、コロマルだろ?」

 沈黙を破り、最初にそう口を開いたのは順平だった。

「……コロマル? お前、そんな名前だったのか?」

 ゆかりに抱かれている犬……もとい、コロマルに視線を向け、そう尋ねる。
 すると、当然だ! とでも言いたげにコロマルは鳴き声を上げる。

「伊織、お前はこの犬を知ってるのか?」

 コロマルについて知らなかった美鶴が、順平にそう尋ねる。
 だが、尋ねられた順平の方は、美鶴の迫力に押されるかのようにしながら、頷きを返す。

「あ、はい。長鳴神社の辺りに住んでいる犬です。正確には、あそこの神主が飼ってた犬だったような……それでその人が事故だったかな? それで死んで、今は野良犬だったかと」
「……お前、あそこの神主に飼われてたのか」

 順平の口から出た言葉は、俺にとっても予想外だった。
 いやまぁ、コロマルの性格を考えれば、誰かに飼われていたというのは容易に想像出来た事だから、特に驚くべきところではない。
 だが、それでも……まさか長鳴神社の神主が飼っていたというのは、かなり予想外の事だった。
 考えてみれば、基本的にコロマルは長鳴神社にいたのだから、言われてみれば納得出来ない訳でもないけど。

「わん!」

 俺の言葉に同意するように、コロマルは鳴き声を上げる。

「……アクセルの言葉に反応しているように見えるな。もしかして、言葉を理解しているのか?」
「はっきりとは分からないが、大体は理解しているみたいだな」

 そう答えながら、もしかして影時間に適性があったり、ペルソナを使えるようになるのは、一定以上の知性とかが必要になるのか? と、ふと思った。
 だからこそ、人間以外の動物ではペルソナを使えたり、影時間に適性がなかったりする……のかもしれない。
 あくまでも、何となくそうなのではないかと思っただけで、何の確証もない戯れ言なのだが。

「へぇ、このワンちゃん、賢いね。それで、このワンちゃんがペルソナを使えるって話だけど、それは本当なのかい?」

 幾月が興味深そうにコロマルの方を見る。
 そんな視線が気にくわなかったのか、コロマルは幾月から視線を逸らす。

「あらら、これはちょっと嫌われちゃったかな。うーん、何でだろ?」

 首を傾げる幾月だったが、結局それはこ
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