ペルソナ3
1948話
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……」
「わん!」
真田の言葉の途中で、再び鳴き声が上がる。
こうなってしまえば、もうコロマルが何を考えているのかというのは、明白だった。
「コロマル、お前本気か? 俺達と一緒に行動するって事は、タルタロスの最前線で戦う事になるんだぞ? ……まぁ、お前にタルタロスって言っても、それが理解出来るかどうかは分からないが」
「わんわん!」
分かってるとでも言いたげな、そんな鳴き声。
「どうする?」
「私に聞かれても。コロマルが懐いているのはアクセルなんだから、アクセルが決めた方がいいんじゃない?」
ゆかりの言葉に、再びどうするべきかを考える。
「こっちの戦力が欲しいかどうかと言われれば、間違いなく欲しい。それは間違いない。けど……正直、今のコロマルの力で俺達と一緒に行動出来るかというのは、少し難しいような気がする」
ゲーム的に言えば、いわゆるレベル不足といったところだ。
俺達……正確には、ゆかりと荒垣の2人は、これまでずっとタルタロスでの戦いを繰り広げてきた。
だが、コロマルは……召喚器がないからか、ペルソナを完全に使いこない状態ではあったが、それでも最弱のシャドウと呼ばれている臆病のマーヤを相手に苦戦していたのだ。
今のゆかりであれば、それこそ臆病のマーヤはイオを使った攻撃……ではなくても、それこそ弓の一撃で倒せるだろう。
その辺りの事情を考えれば、潜在能力はともかく、現時点の実力でコロマルが俺達と一緒に行動するのは危険だというのが、俺の判断だった。
これがゲームであれば、途中から仲間になる奴は最初からある程度の強さを持っているのだろうが……生憎と、これは現実だ。
コロマルがそのような強さを持っていないのは、それこそ臆病のマーヤとの戦いを見れば明らかだった。
「わん! わんわん!」
それでも一緒に行きたい、と。
多分そんな意思が込められているコロマルの鳴き声。
「……どうする?」
困惑したような、ゆかりの視線がこちらに向けられる。
タルタロスがどれだけ危険なのか、知っているからこその行動。
だが、コロマルの可愛さを考えれば、出来れば話を聞いてやりたい。そんな思いもあるのだろう。
ましてや、コロマルの性格を考えると、このまま放っておいても自分で勝手に判断して俺達と一緒に行動しかねないところ……はある、か?
義理堅い性格をしているコロマルだったが、こっちに向かって視線を向けてくるその様子を見る限りでは、到底自分の意思を曲げるようには思えない。
コロマルの安全確保に関しても、戦闘には基本的に参加していない俺がいれば、コロマルが妙な方に暴走しないよう、見ている事がも可能だろう。
他にも色々と考え……やがて、小さく溜息を吐く。
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