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悲劇で終わりの物語ではない - 凍結 -
人理修復後 ージャンヌ・ダルクー
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ャンヌは儚げに笑みを浮かべる。だが無理をしているのは一目瞭然で、見ていられなかった。

「──ジャンヌさんにとってウィスさんはどんな人だったんですか?」

 そう尋ねるはマシュ。遠まわしに彼女を励ましたところで意味はない。ならば今のジャンヌが想うウィスについてマシュは直球で尋ねることにした。

「──そうですね。…私にとってウィスは兄のような人でした。私の武術と勉学の師でもあります。」

「そして私の──『   』です。」


 思えば彼らは似た者同士だったのだろう。

 周囲の反対を押し切り神の啓示の名の下祖国であるフランスを救うべく立ち上がったジャンヌ。最後に自身に降りかかる悲劇を理解しながらも彼女は自身の信念を貫き通した。

 無限とも言うべく悠久の時を生き続け最後の最後まで自身の信念を貫き通したウィス。最後は消滅という形で終わろうとも───


「ウィスが言っていました。



『─神とは碌なものじゃない。奴らは傲慢で自分勝手な連中だ。期待を裏切るようで悪いがジャンヌたち人間が思っている程神という存在は殊勝な存在じゃない。確かに神は人に道を指し示すが、決して人を救うことなどしない─』


『─何故なら神という存在は人々の信仰や自然現象が具現化した存在であり、生まれた瞬間から一種の完成された存在だからだ。完全故に不完全な存在である人間のことを理解し得ない。笑えないよな。人々の願いによって生まれた神が最初から人間と分かりえない存在だなんて─』


『─神を信じるのはジャンヌの自由だが神を盲目的に信仰するのは止めた方がいい。神の声に従い行動することは一種の思考放棄、傀儡と化すことと何ら変わらない。信仰とは理解から最も遠い感情だ─』


『─奴ら神々は遥か過去の時代に確かにこの地上に存在していた。だがもうこの世界の何処にも存在しない─』


『─それは何故か。それは人々が神々の思惑を越え、自らの足で歩き続けた結果に他ならない。"命ある限り前に進み続けること"、それが人が有する唯一無二の強さだ─』


『─信仰を止めろとは言わない──。俺の言葉を全て鵜?みにしろとは言わない─』


『─だがいつだってジャンヌは一人の人間として自らの意志で行動し、生きていることを忘れないでほしい─』



───と。」

 ジャンヌは懐かし気に過去の記憶を回顧する。驚くことに彼女はウィスが当時自分に述べた言葉を余すことなく覚えていた。

「──私は主の存在を信じてはいますが、絶対視をしているわけではないんです。」

 ジャンヌは続け様に静かに独白する。当時の信仰者とは思えない発言だ。

「──確かに私は主の啓示のもと祖国であるフランスを救うべく立ち上がりました。ですが主の啓示
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