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悲劇で終わりの物語ではない - 凍結 -
人理修復後 ージャンヌ・ダルクー
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を利用した異端審問官や甘い汁を吸った者たちは皆一様に何者かに連れ去られ、行方不明となった。屋敷は全壊し、皆一様にピエール・コーションと同じ状況で発見されることになる。

 犯人の姿を目撃した者は一人としておらず、被害者である者たちは不思議なことに全員が何も覚えてなどいなかった。

 このジャンヌ処刑後の一連の騒動を当時の人々は「魔女・ジャンヌの復活」だといい恐れたという。

 またイングランドに捕虜として捉えられていたジャンヌに何人も手を出すことができなかったという伝承も存在している。彼女の牢獄の周囲には神の御加護とも言うべく結界の如き力が働いていたのだという。未だにその真偽は謎に包まれている。

 このように聖女であるジャンヌには隠された何かがあったのでなないかという推測が行われている。


─ジャンヌの卓越した戦闘力─

─農家の一子女とは思えない程の教養の高さ─

─イングランドの牢獄にて起きた奇怪なる現象─


 以上のことから聖女ジャンヌ・ダルクは件の()の"名の無き英雄"と交流があったのではないかと言われている。






「───。」

 繊細な手付きで手に持つ本を閉じるジャンヌ。

 此処は食堂。日々の疲れを癒すべく皆が訪れる場所である。そんな中ジャンヌは食堂の角で悲し気に目を伏せていた。

 終局特異点にてマスターたちが帰還した後ジャンヌもスカサハたち同様に塞ぎ込んでいた。今はマスターである立香たちを心配させてはならないと無理して食堂を訪れているにすぎない。

 今の彼女は誰の目から見ても無理をしているのは一目瞭然であった。

 そんなジャンヌは過去へと想いを馳せる。





──うーっ、難解です──

──頑張って覚えるんだ、ジャンヌ。勉学は必ずジャンヌの人生にて役に立つはずだ(・・・・・・・・・・・)──

──はいっ!頑張ります!──





──目で相手の動きを捉えるな。相手の気配を感じ、身体が勝手に反応することができるように意識するんだ──

──っ!はい!──





──誰の許しを得てジャンヌに触れようとしている、下衆共が──





──よくここまで頑張ったな、ジャンヌ。後は俺に任せてくれ──





「───。」

─ウィス。あなたはもしかして……─

「…!…ヌさん!ジャンヌさん!」

「っ!は…はい!?」

 今更自分が声をかけられていることに気付くジャンヌ。

「あの…ジャンヌ、大丈夫?」

 健気にジャンヌのことを心配げに声をかけるは自身のマスターである立香。優しい少年だ。

「──はい。…大丈夫ですよ、マスター。」

 ジ
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