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ハイスクールD×D 〜赤と紅と緋〜 日常風景のショートストーリー
士騎兄妹の休日 明日夏篇
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俺の力を遠慮なく使えよ。むしろ、おまえが死なないようにばんばん使えよ。おまえに死なれると、この環境を楽しめなくなっちまうからな。なんだったら、危なくなったときは助けてやろうか?」
それは絶対に遠慮する。
百パーセント高い買い物になるのは確実だからな。
「そんなにぼったくらねぇよ。せいぜい、今日みたいに──」
だったら、なおさらだ!
おまえに体を明け渡したら、何をするのかわかったもんじゃねぇからな!
「なんだよー。ちょっとハメはずしただけだろー?」
ちょっとどころじゃねぇよ!
クソッ、なんか、いいように煽られてからかわれてる気がするな・・・・・・。
「あ、明日夏!?」
ドレイクとのやり取りに頭を痛めていると、困惑と驚愕混じりの声が聞こえてきた。
また知り合いかよ! ていうか、この声って──。
見ると、そこには困惑と驚愕が入り交じったような顔をしているイッセーと鋭い目付きで俺たちを見る千秋がいた!
「よぉ、イッセー。奇遇だな」
「き、奇遇って・・・・・・」
いまの俺の口から発せられるドレイクの口調に、イッセーはますます困惑していた。
「ん、どしたよ? あり得ないようなものを見たような顔をしてぇ?」
「・・・・・・どうしたって・・・・・・お、おまえ、本当に明日夏なのか・・・・・・!?」
「何言ってんだよぉ。どこからどう見ても、俺、士騎明日夏以外の何者でもないだろぉ」
「いやいやいやいや!? いや、おかしい! 明日夏はそんな格好はしないし、そんな喋り方はしない! どう見てもおまえは明日夏じゃねぇだろ!」
おい、いい加減にしろよ、おまえ! これ以上、状況をややこしくするな!
「・・・・・・どうして、おまえが表に出てきてるの──ドレイク・・・・・・!」
そんな中、千秋は視線を鋭くしたまま、冷静にそう訊いてきた。
「流石におまえにはバレるか」
「えっ、どういうことだよ、二人とも!?」
ドレイクと千秋のやり取りに、イッセーはさらに困惑していた。
「まぁ、お遊びはここまでかな。とりあえず、タネ明かしだ。はじめましてだな、兵藤一誠」
「は、はじめましてって、何言って──」
「それから──ひさしぶりだな──ドライグ」
ドレイクはイッセー──正確には、イッセーの左手に向かって話しかけた。
すると、イッセーの左手の甲が光り、この場にいる誰でもない声が発せられた。
『・・・・・・はぁ、ひさしぶりだな──ドレイク』
いまの声──おそらく間違いない。イッセーの
神器
(
セイクリッド・ギア
)
、『
赤龍帝の籠手
(
ブーステッド・ギア
)
』に宿る存在──赤龍帝と呼ばれるドラゴン──『
赤い龍の帝王
(
ウェルシュ・ドラゴン
)
』。
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