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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第253話 運命
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。……オレが2人を見つける事ができたのは………」
ここでリュウキの話は途切れる。
僅かだが、ユウキやランにははっきりと見えた。リュウキの眼に浮かぶものがあったのを。そして 次の言葉を訊いて それが2人にも移る事になる。
「……今回のは、全部……全部、
彼女
(
・・
)
のおかげだ。彼女が……、サニーが オレ達を引き合わせたんだ」
5人の事を見守る様に、倉橋は入り口の所の壁に背を預けていた。
先程の話と運命と言った言葉の真意。それは眼に見えぬ糸の様だった。
それらの糸を手繰り寄せると1人の少女が浮かぶ。
日向 春香。サニーの事。
彼女がこの病院に来たのは今から10年程前の事だった。
それは 倉橋がまだ研修医時代の初めての患者だ。
彼女は重症の状態でこの病院に運び込まれた。彼女を見た時 明らかに事故等ではなく人為的なものだった。当然虐待の二文字が頭を過ぎるが、それよりも処置が先だと研修医として出来る事、与えられた仕事を倉橋は熟し続けた。
幸いな事に彼女の容体は安定し、命に別状はなくなったのだが…… 不自然な事に、これだけあからさまでありながらも事件化される事は無かった。それとなく先輩医師に言ったのだが、それでも何も変わらなかった。それは更に上に言っても同じだった。……いや、変わらないどころか、院長から『あまり言わない方が身のため』とまで言われた。 この時 巨大な何かが蠢いている、ありきたりな表現ではあるが、それを感じた。
病院のトップがそれを握りつぶそうと言うのだから、一研修医が何を言った所で弾かれるだけだった。 憤りを感じたのだが、何もできない自分にも腹が立つ日が続いた。
そして、ある切っ掛けが訪れた。
日に日によくなる一方で、身体が恐怖を覚えている様に震えている彼女を見て、病院の闇に怒りを覚えたり、失望したりするよりも、この小さな命を守らなければならないと言う強い気持ちが全面に出てくる様になったのだ。 幸いな事にここは町医者の様な小さなものではなく、大きな総合病院。一体何に巻き込まれたのかは全く判らなかったが、それでも こんな場所にまで出向き手だしをしてくる様な輩が入れば、即警察に突き出す事だって出来る。
そう思いながら彼女を見続けて、更に問題が発生した。
彼女は、恐怖の記憶こそは身体が覚えていた様だったが、実際の記憶――。
どんな事があったのか、何処で暮らしていたのか、どんな些細な事でも良いから、と少なからず聞いていたのだが…… どれも答えられなかった。恐怖故に答えられない、答えてはいけない、と言った類ではなかった。俗にいう記
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