一話 三人の男
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ていた。
やれやれとばかりにイリスは額に手を当てため息をつく。
「成果無しということですね、明日からまたみんなで鍛錬を始めましょうか」
「えーやだよー」
「まあまあトール、僕達少し力不足なんだよ」
「んな事言ったって、俺魔法専門だしー」
「屁理屈言わないでください、明日は四時半起きですね」
「「早っ!」」
レインとトールは驚きイリスの方を見る。
「当然です。・・・マスター、お勘定」
「あいよ、30コインだ」
お勘定、30コイン。その単語に二人はしまった、と思いオロオロとし出した。
「ありがとう。みんな、割り勘にしましょう。10コインづつ・・・どうしたんですか二人共」
露骨に目線を合わせ無い二人にイリスは疑問を抱く
「あのね、イリス。実は・・・・」
恐る恐るレインが事情を話しイリスが二人にげんこつを食らわせた後、今夜のお代は全部イリス持ちとなった。
「さっさと帰ろうか、ルミ姉さんが待ってるだろうしね」
「そうですね、心配するでしょうし」
「べっつに大丈夫だと思うけどなー」
「寄り道せずに帰りますよ」
酒場を出て帰路についた三人は明日の予定や次の大会はいつだなんて話をしていた。
トールはそこで一人の人影を見つける
「おっと、あそこにいるのキョウスケじゃね?」
「あの格好は間違いなさそうだね」
大きな鎧のシルエットは間違いなくキョウスケだろう。彼は辺りを気にしながら、人気のない岩陰の方へ向かっていった。
「なんだぁあいつ、気になるな。追っかけようぜ!」
「ああ待ってよトール!」
「こら二人共。寄り道せずに帰るとさっき・・・しょうがないですね」
急に走り出すトールを追いかけるレインとイリス。
三人はキョウスケが岩陰でコインを数えているのを見つけると、木陰でじっと隠れて様子を伺う。
そんな三人が見たのは大会や酒場で見たような雰囲気のキョウスケでは無かった。
「298、299、300、っとこりゃ儲けたなあ!ハッハハハハ!もうこっちの世界に来てからウハウハだぜ。日本で死んだかと思ったら神に導かれて異世界転生とか、やべーわ!つか俺チート能力持ってるんすけどー!未来を三十秒間見れるんだってよ!ハハハハハ、高笑いが止まらねえぜ!相手の攻撃とか弱点とか作戦とか全部分かっちゃうし、最強だわまじで。鍛錬?努力?一つもしてましぇーん!!俺元々一般ピープルだし?なのにポコポコモンスター倒せちゃうしねえ!そりゃそうだろ、この能力があるんだから!ガッハハハハハ!!とりあえず俺のチート能力でこの国、いやこの世界支配したろ!明日から旅に出るわけだし、第二の人生スタートだわ!ヒャッホーイ!!」
キョウスケはスキップして、どこかへ行ってしまった。
三人は少しの間その場から動けなかった。理解が追いついていなかった
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