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ウィザード・トーナメント編 前編
「11」 その4
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よ。もう生徒も襲わねぇ、お前らにつけた傷も数日で完治するさ。たが....」


次の瞬間、さっきと同じくらいの寒気がするような殺意が辺りを包み込む。
これにはシルバも少し硬直しているようだった。


「いつか必ずまた殺しにやってくるからな!」


ジャックは再び霧の中に消えた。
少ししてフィールドが消滅。
またいつもの公園に戻った。


「シルバ、足が。」

「いや、どうということはない。それより君のほうが問題だ。あまりにも血が出すぎている。」

「あぁ、多分アドレナリンの分泌とか、そういうののお陰で今、意識を保ててるんだと思う。」

「もう少しすれば他の捜査メンバーが合流する。」

「手回しが早いな。」

「そりゃ、これでも学年主席だからね。」

「ハハッ、さすが学年主席だよ。」


その後、他のメンバーが合流して俺たちとターゲットとされた生徒は無事保護された。
俺とシルバはさっそく事件の詳細を話すために事情聴取にかけられるだろうと思っていたが、それぞれ傷が完治し次第、事情聴取を行うこととなった。

その後、副会長の根回しで俺とシルバの事情聴取は免除され、犯人との交戦による負傷者とその他諸々の負傷者に対する謝罪は副会長が直接訪れてしたそうだ。

物事はその収拾をどうするかが重要だ。
今回は副会長のお陰で事件の内容が世間に漏れることはなかった。
大爆発による騒ぎもウィザード・トーナメントなどの取り決めを行う魔法議会の干渉によって揉み消された。


病室にて。
俺とシルバは隣同士のベットで治療を受けていた。
傷の状態からして復帰はシルバのほうが早い。
俺に関しては完治まで4日掛かると言われた。
それはつまり、退院した初日からウィザード・トーナメントの1年の部が始まるということだ。
どうせなら1日前には体を動かせるようになっておきたいと思っていたが、無理もないだろう。
そこは諦めて4日間待つことにした。


「副会長が僕たちの事情聴取を免除してくれたみたいだね。あと、事件についても一切、表には公開されないらしい。」

「あぁ、事件が明るみに出れば今後のウィザード・トーナメントの開催についても反論の意見が増えるだろうからな。今回はあの人のお手柄だな。」


その時、俺の頭の中はジャック・ザ・リッパーのことでいっぱいだった。
結局あの時、俺とシルバは相手の顔を正確には見れていなかった。
それに犯人があの時本気を出していれば、俺はシルバが来るまでに確実に死んでいただろう。
シルバもきっと殺されていたに違いない。
今回は、俺がいかに弱いかと、上には上がいるということを痛いほど理解する良い機会になった。

だがこの事件は、これから長く続く因縁の、その始ま
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