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俺の四畳半が最近安らげない件
そして豪傑へ・・・〜小さいおじさんシリーズ20
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ぎたのと、一番元気だった時代が丁度三国時代から外れてたのとで現在の創作では知名度が低めだが、実は呂布を上回るレベルの困ったちゃんだったのだ」
端正が続けて解説してくれる。この人達、偶に意外と親切なところがあるのだ。
「私は彼の全盛期にはまだ子供だったので、よくは存じ上げないのですが…私が知る限りでは、韓遂は貴方に従属した後、再び反旗を翻していますねぇ。そのきっかけは何だったのです?」
白頭巾が身を乗り出してきた。なんでこの男は他人の不幸が大好きなのだ。
「…全然分からん。漢中攻略の準備をしていたら急に『俺達を討伐する気だな!?』とか云いだしてな…」
「ほほう…極めて疑り深い人物なのですなぁ。興味深い」
「興味を抱くな、ろくな目に遭わないぞ」
「くっくっく…ところで」
羽扇に顔を半分隠し、白頭巾が嫌な笑い方をした。…こいつ、また変な事考えてんな。
「私たち、魏・呉・蜀の重要人物ですな」
「自分で云うのもどうかと思うが、まぁ…その通りだ。最重要人物と云ってよかろう」
端正がそう云って僅かに居住まいを正した。
「その重要人物が、事あるごとに寄りあい、茶を傾けている。…さぞかし、妙な絵面でしょうなぁ」
「違いないな。当時では考えられない面子の茶会だ!」
豪勢が豪快に笑う。
「全くだ。当時こんな面子の茶会が開かれたら、三国中に激震が走ったことだろう」
くすくすと忍び笑いが漏れる。端正が珍しく、茶器を置いて笑っていた。イケメンは怒っても笑っても絵になる。


「極めて疑り深い人物がこの状況を知れば、どう思うことでしょうなぁ…」


―――え?
二人の笑顔が凍りついた。
「さぞかし、大掛かりな陰謀が水面下で進んでいる…そう、疑われても申し開きが難しいことでしょう…」
「ちょまてよ、もうあの時代は終わって俺達は…」
端正が凍りついた笑顔のまま腰を浮かせた。なに早速某イケメンの口癖を取り入れているのだこのイケメンは。
「うーむ、普通に考えればそうなんですけどね…例えば極めて直情的で」
「……ぐぬ」
「後先を考えることが絶望的に苦手で」
「……ちょまてよ」
「極めて疑り深く、反乱が大好きな人物が、この茶会の事を知った場合は」
「云うな―――!!」
「卿、また面倒なだけで誰も得しない厄介事を呼び込もうとしているな!?」
「ま、全くだ、これ以上は敷金がやばい!!」
俺も思わず叫んでしまった。しかし。


「涼州を乗っ取ろうとしているなぁ―――!!!!」


うわっ出た!あいつだ絶対あいつだ、もう遅かった!!
さりげなく肘で抑えていた襖を跳ね返した腕力は、そのサイズにしてはありえない強力さだ。これが軍師!?とんでもない、性格に難があったとしても奴は間違いなく『豪傑』だ。俺は咄嗟に身を引いて、恐る恐るそ
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