ペルソナ3
1947話
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…ふーん」
どこか不満そうな様子のゆかり。
何だ? 今、何か悪い事があったか?
そんな風に思うも、先程の自分の行動を思い返しても、特に思い当たるような事はない。
であれば……まぁ、今は特に気にする必要はないか。
多分、そういう気分だったとか、そんな感じなんだろうし。
犬を撫でているゆかりを見ながら、そう考え……取りあえずスルーしておいた方がいいだろうと判断した。
「さて、じゃあ美鶴をあんまり待たせても何だし、さっさと移動するか」
夜中に1人お嬢様を外に出す。
……そう聞けば、かなり危ない感じがするけど、実際にはそのお嬢様は処刑とか平気でやる性格だしな。
普段からレイピアを持っているという事はないだろうが、それでもいざという時の為に召喚器は持ち歩いている筈だ。
もし何かとち狂って美鶴に手を出そうと考える間抜けがいても、最悪その男は氷漬けになってしまうだろう。
うん、その光景が目に浮かぶようだ。
氷漬けになった不良といった様子を思い描いていると、やがてゆかりと犬が俺の側にやってくる。
それを見ながら、影のゲートを発動させる。
俺にとっては……そしてゆかりにとっても、既に慣れた表情。
犬も、以前ピクニックに行った時にこの感触は味わった事がある為か、特に驚いたり動揺したりして暴れる様子はない。
そうして、次の瞬間……俺達の姿は、既に巌戸台分寮の前にあった。
正確には周囲からは陰となっていて、通路からは見えない場所、というのが正しいのだが。
「アクセル、こっちだ!」
俺達の姿を見た美鶴が、そう叫ぶ。
そして俺と一緒にいるゆかりと犬を見て、不思議そうな表情を浮かべていた。
まぁ、分からないでもない。
俺とゆかりがいて、本来なら一緒にいなければならない荒垣の姿がなく、代わりに犬が1匹いるのだから。
「悪いな、時間を取らせて」
「いや、アクセルの頼みなのだから、それは問題ないのだが……それで、話というのは、その犬の事なのか?」
「ああ。……ここも安全だとは思うが、詳しいことは寮の中で話す。この犬も入れて構わないか?」
「それは構わんが……もしかして、その犬をここで飼って欲しいという事か?」
「ちょっと違うな」
「わふ?」
美鶴の言葉に、俺はゆかりの側にいる犬を見る。
すると、犬は鳴き声を上げながら首を傾げた。
……明らかに、こっちの言葉を理解しての行動だというのは、見れば明らかだった。
そして美鶴も当然そんな犬の行動に気が付き、俺の方に視線を向けてくる。
「これは?」
「だから、詳しい話は寮の中で、だ」
「ふむ、分かった。……どのような話を聞かせて貰えるのか、こちらとしても楽しみだ」
そう言い、美鶴は俺達を寮の中に
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